終わり ページ1
『全ての物事には終わりがあり、そして始まりがある。』
誰かが言っていたのか、はたまた本で読んだのかは覚えていないがとてもいい言葉だと私は思う。
『終わりがあり、始まりがある』
ここの部分は本当に深い。
『始まりがあり、終わりがある』という言い方もあるのに、こっちを選ばなかったという点に感服する。
どっちも同じ意味ではあるが、違うのだ。
例えば
『君って絵は上手いのになんだかセンスないよね 』
と言われるよりも
『君ってなんだかセンスないけど、絵は上手いよね』
の方がいい気がする。
なんとなく。
『終わり』から『始まる』。
『始まり』があって『終わり』ではない。
だから、私はこの言葉が大好きなのだ。
−−−・・・
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「A先生ってホントのホントにいなくなっちゃうんですねーー…」
そう独り言のように呟いたのは、向かいに座る清水先生だった。
『そうだねぇ〜』
「なんでなんです〜もぉーー!」
『何でだろうねぇ〜』
彼女は勢い良くもう何杯目かも分からない生ビールを呷る。
「A先生のバカーーーー」
まだまだ若いというのにいつも顔面をどぎつく化粧で着飾る彼女は、なんというか夜の蝶っぽい。
居酒屋がとってもよく似合ってやっしゃる。
出席簿より生ビールの方が違和感ないな、と失礼だから言わないけど思った。
「A先生がいなくなるの、チョー寂しいです…」
『ありがとう、それ11回目だけど。』
今日飲みに誘ったのは私だ。
彼女にはここ1年副担任として担任の私を支えてもらい、感謝しているから。
『今日は奢るからさ、機嫌直してよ』
「そんなんじゃ誤魔化されませんよーー!まだ怒ってるんですから!内緒で赴任決めたこと!!」
『ごめんってば!』
ホントに感情豊かな先生で、昨日の卒業式では1人大泣きするような人だ。
「よりにもよってなんで銀魂高校の採用試験行っちゃうんですか…」
『なんとなーく?かな』
「ここら辺では、結構人気学校ですけれどもぉ〜〜」
『あれでしょ、先生が選ぶなんだか赴任したくない高校ランキング第1位なんでしょ。』
「そうですよ!聞いた話によると赴任した先生はまるで干し芋ようになるとかならないとか…」
大袈裟だなぁ、と笑えばなんでそんなことこ行くんですか、ともう1度問われた。
『そりゃ…まぁ、実はね、、母校なんだ』
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作者名:ぽへ | 作成日時:2017年5月6日 13時