検索窓
今日:4 hit、昨日:2 hit、合計:1,309 hit

〈緑の扉2〉 ページ2

そこに居たのは見慣れた顔。
黒い真選組の隊服に包まれた白い肌は赤黒く火傷していて、茶色い髪は幾らか焦げて黒くなっている。

こいつは真選組1番隊隊長、沖田総悟だ。
嘘じゃない。見間違えでもない。

「ねぇ、聞いた?あそこに倒れてる人真選組だそうよ?」
「あぁ…あのチンピラ警察か…」
「近くにいる人誰かしらねぇ?」

そんな声が周りから聞こえる。
小さくたって俺には聞こえるんだ。

おかしいよな総悟。

あんなにも恨んでいたのに
あんなにも邪魔だと思っていたのに
いざこうしてみると悲しくてたまらないんだ。

たまらず、涙がこぼれ落ちる。

職業柄いつ死んだっておかしくないのは分かってる。でも、でも―


それから何時間か経って総悟は亡くなった。
その死に様はとてもではないが幸せそうには見えなかった。

こいつがなんでこんな目に合わないといけないのだと、なんで自分は総悟を見てやることが出来なかったのかと後悔さえした。


それからも攘夷志士のことやらなんやらで身近な隊士がどんどん死んでった。
普段だったらすぐ吹っ切れてたと思う。

だけどアイツが死んだあとじゃそうも行かない。

俺をおちょくってくるあいつが、いつも馬鹿にしてきたあいつがもういないんだ。
そう簡単に立ち直れない。

隊士の死は、なにより上の立場にいる副長の責任だ。
今まではそれから目をそらせてこれたのはあいつがいたからだ。

これ以上隊士が死ぬのなんて俺にはきっと耐えられない。
そんなことを考えてしまうまでに俺はなっていた

〈緑の扉3〉→←〈緑の扉1〉



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (1 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:銀魂 , 闇堕ち
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:すもも | 作成日時:2019年3月18日 1時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。