〈緑の扉1〉 ページ1
土方side
全く…あいつは何回仕事をサボれば気が済むんだ。
いくら言ってもサボりやがる。
おかげでこっちに回る仕事が多くなるんだ。
そりゃあ俺だって休みたくないといえば嘘になる。
しかも最近は変な夢ばっかり観る。
そのせいで気分は悪くなるし仕事は増えるしで最悪だ。
「ちっ……んで俺が総悟の仕事片付けなきゃいけねぇんだよ…」
そんなことを呟くと、隣にいた山崎が心配そうに話しかけてくる。
「副長…大丈夫ですか?
なんでしたら手伝いますよ…?」
俺とこいつは最近付き合い始めた。
この世の中、男同士で付き合うなんざ異常なのもよくないのも分かっていはするが、それでも俺はこいつが好きだ。
だからこそ、できるだけ心配はかけたくない。
「あ"ぁ?大丈夫に決まってんだろこんなもん。
手伝わなくても1人でやれる。」
だから強がってしまうのだろう。
――手早く作業を進め、仕事をおわらせる。
朝から作業を始めたのに、もう昼になってしまった。
その間も山崎は隣に居たが、気づけばスースーと寝息をたてて寝ている。
サラサラとした髪を少し撫でると
「ふく…ちょ、う…?」
と寝ぼけながら言う。
さすがにこのまま外に連れ出すのは危ない。
仕方なく、1人で見廻りに行くことにし、外に出るとどこか騒がしい。
どうやら放火があったみたいだ。
「こうしちゃいられねぇ」と、急いで放火の現場に向かう。
しかし、犯人はもう逃げたようで辺りには火消しが居るばかりだ。
火も消えたらしく、そこには黒く焦げた地面と被害者達がいるだけだ。
そう。いつも通りだ。
よくある風景。
なにか事件が起きて、その被害者が並べられ、順に運ばれていくその風景はいつもと何ら変わらない。
でも――
「んだよそれ……なんで、なんでお前が倒れてるんだよ…」
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:すもも | 作成日時:2019年3月18日 1時