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第二十一話 ページ23

泉鏡花side


人虎が向かって来る度に、夜叉白雪は攻撃する。




<敵の(ことごと)くを斬り刻め〖夜叉白雪〗>




携帯からの声に従って、夜叉白雪は相手を斬る。

私は、立っているだけ。





「何故………君みたいな女の子が」





血を吹き出し、倒れ伏す彼が私に問いかける。

その答えを、私は持ち合わせていない。
だから、事実だけを答える。



「……私の名は鏡花。あなたと同じ孤児。好きなものは兎と豆腐。嫌いなものは犬と雷。マフィアに拾われて、六ヶ月で35人殺した(・・・・・・・・・・)



驚いている彼をよそに、携帯からはただただ、夜叉に対する命令だけが流れる。




<爆弾を守れ。邪魔者は殺せ>




それに従って、夜叉は動く。
相手を、斬り刻む。


もう、立って居られない程の怪我をしているはず。
それなのに、彼は両の手を広げて、私の前に立ち塞がった。




「来ないで」




夜叉が鯉口を切る音が鳴る。
来てしまえば、夜叉に斬られる。

忠告したのに。
それでも彼は向かって来た。

夜叉が刀を上段から振り下ろす。
必殺の攻撃。




あぁ、またか。









その時、ガキィインッと、聞こえるはずのない音がした。


虎のものとなった手が、刀を受け止めていた。



夜叉が鋭い突きを放っても、その悉くが避けられ、終いには刀が弾き飛ばされた。
さっき、夜叉が斬った電車のドアから、刀は外へと放り出される。


次の瞬間、私の首には鋭い爪が突きつけられていた。

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設定タグ:文スト , ポートマフィア , 原作沿い   
作品ジャンル:アニメ
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作者名:安蒜 佑 | 作成日時:2020年3月11日 22時

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