冷たい体 ページ26
─Aはピッキングで病室に侵入。
2階だからか簡単に空いた鍵。
音を立てないよう窓とカーテンを開けて室内に入るとベッドで眠るその人物を見た。
息が止まりそうだった。
ベッドで眠るその少女は正しく自分がよく知る“ 白崎恋歌”だったから。
でも自分も個性で同じ様に姿を真似れた、油断出来ない。
右手で硝子のナイフを作り出し左手で肩を揺する。
『おい、起きろ白崎恋歌･･･』
｢ん･･･｣
何度かそうすると相手は静かに目を覚ました。
エメラルドグリーンの瞳がゆっくりAの方を向くと見開く。
｢あなた、だあれ？｣
キョトンとそう聞く少女は状況が見えていないのだろうか、Aは猫の仮面を付けナイフを向けているというのに。
Aはナイフを少女の白い首に当てる。
『私の質問が先だ。お前は誰だ？』
｢あなた私が誰か知って此処に来たんじゃないの？｣
『っ･･･白崎恋歌は死んだ、私は知っている。お前は誰だ？』
ナイフを強く握って少女を睨むA。
だが少女はやはり怯えも焦りも見せずじっと上から下までAを眺めて頭を傾げた。
｢･･･A？｣
『っ!?』
その言葉でビクリと肩を揺らしたAに少女は無表情だった顔が見る間に笑顔へ変わっていく。
｢ああ、やっぱりAなのね！ずっと待ってたのよ！｣
『!?動くなっ！』
弾んだ声でそう言うと少女はナイフなど無いかのように立ち上がりAに抱きついた。
｢A、私のA！私が信じられないの？｣
もしかしたらと期待と不安でナイフが中をさ迷う。
そんなAの耳元で少女は囁く。
｢花が嫌いな私にAは泥だらけになってプレゼントしてくれたよね？アマドコロの花を｣
『あ･･･っ』
それは2人しか知らない事。
少女は体を離しAに優しい笑みを浮かべる。
｢花言葉は『元気を出して』｣
『っ！恋歌っ･･･！』
Aは耐え切れず涙を流して自分から抱きついた。
本当に恋歌なの？
夢ではない？
『恋歌っ恋歌っ･･･！』
｢うん、嬉しい私の事覚えていてくれて｣
『忘れる訳ないっ！恋歌はたった一人の私の友達よ!?』
そう言えば恋歌は心底嬉しそうに目を細めて笑う。
温もりを、夢ではいと実感が欲しくて確かめようとすると違和感に気付く。
何で恋歌はこんなに冷たいの？
何で･･･
『心臓の音が聴こえない･･･？』
Aは冷や汗が流れ恋歌はそんなAに微笑み艶のある唇が動く。
｢伝言よA｣
冷たい手がそっとAの頬を包む。
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アマドコロ(プロフ) - 46さん» コメありがとうございます！そう言ってくれると凄く嬉しいです！頑張りますっヽ(；▽；)ノ (2019年12月29日 8時) (
レス) id: b3afbd7d01 (このIDを非表示/違反報告)
46(プロフ) - いつも楽しませてもらってます！イラスト見ました！アマドコロさんが描くミニキャラ個人的に大好きです！色の塗りかたとかも、凄いです！イラストの方も、小説の方も、頑張ってください(*´ω｀*) (2019年12月29日 0時) (レス) id: 06efcbf80c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アマドコロ | 作成日時：2019年10月31日 19時
