第6話:不吉 ページ8
「おはよう、カルエゴ」
カルエゴ「……ああ」
殺し合い騒動の翌日。珍しく早起きした私は朝食を手にカルエゴの家へと足を運んでいた。
寝室で鏡を見ていた彼にあいさつをすると、帰ってきたのはあいさつではなくただの"了解"。
不機嫌な証拠だな
「どうかした?いつになく不機嫌そうだけど」
カルエゴ「……」
カルエゴの手元をちらりと見やると、そこにあったのは昨日散々話題になっていた
なるほど、不機嫌の理由はこれか
「まあまあ。大目に見てやってよ。事情聴取したところ先に喧嘩を吹っ掛けたのは特待生じゃなさそうだったし」
カルエゴ「そういう問題ではない。あいつは…奴の孫は入学式で禁忌呪文を唱えたのだぞ。さらにその日のうちに乱闘騒ぎなど……」
「あーー…」
うん、庇いきれない。禁忌呪文を唱えたのか、周りに爆散したら大迷惑そのものだ。
それにしても…何故禁忌呪文を読んだんだ?普通の悪魔は禁呪を知らないわけが無い。いくら父上とはいえそれくらい教える…いや、養子なのか。分からんな
カルエゴ「奴がお前の息子でないことは昨日のうちに重々分かった。明らかに似ていなさすぎる。それだけでも良しと…ゴホン 否。奴は早いところ退学処分にしてやりたい…」
新聞を手近なテーブルに置いたと思ったら、カルエゴはお腹を押さえてうっ、と呻いた
「それは良かったけど……まあ、朝からそんなこと考えてもまた胃を痛めるだけだよ。ほら、朝ごはん作ってきたから食べよう」
カルエゴ「…ああ、そうしよう」
ーーーーー
「今日朝暇だったから結構作っちゃったんだけど。どう?」
カルエゴ「悪くない」
「…そっか」
それ以外何も話さず、黙々と食事をとる私達
ちなみに、カルエゴの悪くないは「すごく良い」だ。人を褒め慣れてないにも程がある…まあその言葉に毎回喜んでしまう私も私なのだが
「ご馳走様。さ、行こう」
カルエゴ「…」
「どうしたの?」
カルエゴ「(……嫌な予感がする)」
「カルエゴ?」
カルエゴ「…なんでもない。行くぞ」
そう言ってピシリと割れている鏡で髪型を整え、カバンを持ち私に向き直るカルエゴの顔は
少し、青かった
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えんさん(プロフ) - 霧隠紫音さん» はい!m(_ _)m (2022年6月12日 21時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
霧隠紫音(プロフ) - 嬉しいです!もし機会があれば私の作品も読んでみてください!駄作者なりに頑張っています! (2022年6月11日 17時) (レス) id: 3b05bc2eb8 (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - 霧隠紫音さん» そうだったのですね!あまり小説書くのは上手ではないですが、占いツクール歴自体は長めなので…もし少しでもお力になれる事があればいつでも聞いてください!^^* (2022年6月11日 17時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
霧隠紫音(プロフ) - なるほど!私も昨日、小説書き始めたばっかりなので機会があればぜひアドバイスをください! (2022年6月11日 17時) (レス) id: 3b05bc2eb8 (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - 霧隠紫音さん» イルマくんの作品は今回が初めてですね! (2022年6月11日 17時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えんさん | 作成日時:2022年6月8日 22時