129.感動の瞬間 ページ37
「さ、退…さん?」
退「え、Aちゃん…?って、何して…….」
なんとなく信用出来ず、私は彼に近寄り、彼の胸辺りをバンと触ってみた
そう、触れた
「生きてる…んですね。良かった…!」
退「待って」
「え?」
退「僕が生きてて喜んでくれたのはすごく嬉しいんだけど…ちょっと先にやることがあるんだ」
そう言って彼はまた恨めしそうに中を睨みつけている
先程から何やら騒がしかったそこを覗いてみると、腹踊りをしている長官の姿
「あぁ…納得ですわ」
お好きなようにどうぞ、と言い彼が中へと飛び込んで行ったその矢先
「…!!」
ドガァァァン、とまた大きな爆発音が耳に劈く
「今度は何…」
ふざけんな、また闘いが始まるのか?なんて思いながら飛んできた方向に目を向ける
その犯人の姿に、私は目を見開いた
土「局中法度12条、マガジン以外のマンガ、局内で読むことなかれ。局中法度17条、会議及び重要な式典の際は携帯の電源を切るべし。局中法度45条、死して尚化けて出ることなかれ、武士たるもの潔く成仏すべし。それとクソ姉貴、隊士たるもの式典は必ず参加しやがれ。」
テメェら全員、士道不覚悟で切腹だァァァ!!
一度、辺りがシンと静まり返る
隊「副長ォォオオ!!やった、副長が戻ってきた!!」
土「な、何言っ…テメッ、切腹だっつって…!!」
隊「ああしますとも!なんどでもかっ捌きますとも!!」
皆が十四郎を取り囲み、喜びの涙を流す。
後ろで近藤さんと総悟はやれやれといった様子でそれを眺めていた
「いいの?副長の座は総悟の席なんでしょ?」
総「何言ってんですかィ、アンタだってホントは抱きついて喜びたい癖に」
「あ、話逸らしたな」
でも、良かった。
もちろん、死んで行った隊士が戻ってくることは無いが、これで真選組は終わらない。またみんなと楽しく仕事をして行けるんだ
そう考えたら、頬にじわりと暖かいものが流れてくる
「うっ…うわぁぁぁん…!!」
総「あーあ、やっぱり気にしてやしたね、バレバレでさァ」
総悟が子供みたいに泣く私の涙を指で拭ってくれる
コイツは、本当にこういう時すごく優しくてどうしても甘えてしまう
「ありがど…ぐずっ…」
感動の瞬間、辺りに聞いたことのある音が鳴り響く。
あれ?この着信音って…
土「はい、もしもし。……土方でござる」
…えっ
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えんさん(プロフ) - はにまるさん» はにまるさんコメントありがとうございます!!ま、マジですか……!!一気見してくださるなんてめちゃくちゃ嬉しいです!!!ありがとうございます!!これからも亀更新ですが頑張っていきますのでよろしくお願いします!! (2020年4月22日 3時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
はにまる - 一気見しちゃいました。とっても面白いです!お忙しい中素敵な作品をありがとうございます (2020年4月15日 10時) (レス) id: 20c0fe3fbc (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - 美月さん» 美月様…同い年なのですね!!大変ですよね、この上にさらに弔事まで重なってしまって毎日ヘトヘトです…汗 なんて嬉しいことを言ってくださるんですか….!!ありがとうございます!!頑張ります! (2019年12月16日 1時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
美月(プロフ) - インターンや就活準備、大変ですよね。おそらくえんさん様と同学年なのですが、私も忙しい日々の息抜きがこれを読むことになってます(^ ^)更新、楽しみにしてます!! (2019年12月15日 23時) (レス) id: c64cf7ce50 (このIDを非表示/違反報告)
えんさん(プロフ) - かっちゃんさん» かっちゃん様!お待たせしてしまい申し訳ないです!!本当にありがとうございます!(´TωT`) (2019年12月13日 15時) (レス) id: cfaad42937 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:えんさん | 作成日時:2019年12月3日 23時