その言葉の意味を知りたいです3【土方十四郎】

127.幽霊…？ ページ35

Aside





総「姐さん、さっさと起きてくだせェ。葬式始まっちまいますぜ」


「…いや、いい。私行かないからみんなに伝えておいてもらえるかな」


近「何言ってんだ、A。式典に参加しないなんてトシに…！！あっ…」


「十四郎？いないですよ今は。大丈夫です、別にそのことを気にしているんじゃありませんから。ほら、早く行かないと貴方達まで遅れちゃいますよ」


近「わ、わかっ、わかったから押すな！」





バタン




総「追い出されやしたね」


近「うぅ、反抗期か！？反抗期なのか！」


「外で騒がないでくださいね、何言っても参加するつもりはありませんから。」






そんなぁぁぁ！！！



と、これまた大きな叫び声が聞こえる中、私は縁側に出て空を眺める。

どんなことがあろうと、太陽は常に私達を照らし続けているというのに。私は何を落ち込んでいるのだろうか



「…」




近藤さんには気にしていない、なんて言ったが嘘だ。十四郎は自分から謹慎の延期を申し出た。懸命な判断かもしれないが、ここまで自分の思い通りに行かないとさすがに心も折れるというものだ


あげく、退さんまで殺されたときた。全く、神様というものは不平等なものだ。






「ふんっ」








自分の両頬を叩き、残っていた眠気を全て払い除ける

ジンジンと痛むその頬が、自分は生き残ったのだという証のように感じた。辛気臭いことを考えるのはもうやめだ。前向きに行くとしよう





「それに、何かが引っかかるんだよなぁ」




退さんが殺された、その一報を聞いたのは伊東派に寝返った隊士達からだ。近藤さんや総悟からの連絡が一切なかったのは列車に乗ってたからだとはいえ、やはりアイツらから聞いたことをまるっと信用できるほど私は懐が深くないのだ。

まぁ、たとえ死んでたとしても結局亡骸も見つからないままあんなふざけた葬式をやられちゃ退さんが浮かばれない。そんな葬式に参加したくもない。





長官殿のペットと退さんの合同葬式なんて







はぁ、と大きくため息をつきながら、まあ外から手を合わせてやるくらいはしなくちゃな、と思い会場へと向かう。

下を向きながら歩いていたせいか、遠くで気がつくことは出来なかったが、襖の近くに誰かがいた。






白装束を着て、会場を恨めしそうな顔で覗き込んでいる退さんの姿が目に入る






「さ、退…さん？」








まさか、幽霊…なのか？

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