その言葉の意味を知りたいです3【土方十四郎】

95.死闘 ページ2

「え…？退、さんが…！？」


隊「屯所のはずれで…血塗れになっているところを発見されたのですが、もう、その時には…！下手人はまだ見つかっておりません…！」


「そんな、うそ…」




嘘であって欲しかった
こんな形で訃報なんか聞いたって、涙すら出ない

また、守れなかった

十四郎が大切にしていたものが、私の大切なものが、また守れなかったのだ






隊「さあ、総長も副長も、1度隊に戻ってください！」


土「え、で、でも拙者クビになった身だし…」


隊「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ！」


「…」


銀「おい、大丈夫か？」







銀時が、顔色が悪いであろう私の顔を覗きこんで話しかけてくる

もちろん、退さんが殺められてしまったことは、もう変わらないことだ
でも、銀時に心配そうに話し掛けられた時は、既に違うことを考えていた




なぜって？







「ねえ、貴方たち…！」







あまり見たことがない隊士達に、私はずっと少し違和感を感じていたから

どうして退さんが殺されたことに対して、総悟や近藤さんから連絡が無いのか
この隊士達が知っているのなら、あの二人だって知っているはずだというのに


ふと、無意識に腰の得物へ手が伸びる






隊「さあ、早く！2人とも、山崎のところへ…」


土「！！」


「みんな、どいて！！」







私の勘は、当たっていた






銀「ふんっ！！」


土「うえっ！？い、いたたたた！」


神「A！」


銀「神楽！！さっさと行くぞ！！」







銀時がトシちゃんの首根っこを掴んで、飛び上がる
声を上げた神楽ちゃんも、心配そうに私をちらりと見ていた新八くんもそれに続いた
銀時はというと、私の方を見やってからすぐに向き直り、また道の奥へと進んでいった







「…ありがとう」





私を、信じてくれるんだね





私が静かに刀を抜くと、夜の賑やかなかぶき町は、一瞬にして悲鳴で埋め尽くされる
無理もない、刀を抜いた警察が、それも同じ隊服を着た者同士が今から一戦交えようとしているのだから









隊「しまった、土方に逃げられた！」


隊「追え！！他の奴らはこの女を始末しろ！」


「そうは、問屋が卸さないよ！！」









ザシュッ、と私の刃がトシちゃんの手を掴んでいた男の肉の斬れる音を聞き、私も銀時達について行く









ここから。ここからだ




私たちの死闘とも言える闘いが、幕を開けたのだった

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