言ってる意味が分かりません！【土方十四郎】

35.出会い ページ37

「……ん」



重い瞼をゆっくりと開けると、目の前には相変わらずムカつくほど端正な顔立ちをした十四郎がいた

なんで寝顔までこんなに可愛いんだ





「それにしても…」





ここ、どこだ？

辺りを見回すと、どうやら室内のようだった
おかしい、私達は外で倒れていたはずなのに

そういえば





『参拝客じゃあないさ』






あの男、一体…？
もしかして、あの人の家なのか？

よく見れば手当までされている
というか随分と丁寧な手当だな。私と十四郎とは大違いだ






近「おお！起きたか！」


ミ「お体、大丈夫そうですか？」




私がどこだどこだと考えを巡らせているうち、襖をあけた2人の男女がこちらを見て微笑んでいた





「え…あ、はい」




思考がまとまらないが、どうやら助けられたらしい




近「神社でお前ら2人ともぶっ倒れてたんだ、ひでぇケガだったからな。そりゃあいつら相手に2人じゃ勝てるわけないさ」




その人は、そういって笑った
…ないさ、ってあの時と似た話し方だな




「もしかして、参拝客さん？」




名前がわからず、そんな変な聞き方をしてしまう






近「参拝客じゃあないさ。あの時もそう言ったぞ！」


ミ「ふふ、参拝客さん…いいですね、その呼び方」


近「ミツバ殿！？」


ミ「ごめんなさい、冗談ですよ」






仲良さそうに笑う2人に置いてけぼりの私。
よく分からないが、悪い人ではなさそうだ






近「とにかく！無事で良かった！俺は近藤勲だ！こちらはミツバ殿！」


ミ「こんにちは」


「あ、こんにちは…えっと、土方Aです」







これが、後の私達の大将(近藤さん)との出会いだった

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