電車でうたた寝して目が覚めたら檸檬(爆弾)が足元に転がってきた件

檸檬が二つ ページ3

ぱちり、

効果音を付けるならそんな音だろうか、私は目を開けた。

『…ん？』

此処は…電車、だな。
しかも私が硝子ぶっ刺さった時と全く同じ。

違う処を挙げるなら、私が気絶する時に居た乗客が居ない事と

「命を大事にしない奴はぶッ殺してやる」

与謝野さんと梶井が居る事位だな。

夢ジャナカッタ…

あれ？

私の身体の傷消えてる！

与謝野さんが治して呉れたのかな？

そんな事を考えていると、梶井の悲鳴が聞こえ出した。

ざまぁみろ(ゲス顔)

とか思ってると、梶井から情報を聞き出し終えた与謝野さんが此方に来た。

え、如何しよ。

取り敢えず寝た振り！

与謝野さんは急いでいたのもあり、私をスルーして放送し始めた。

再び与謝野さんが戻って来ると、今度は私の傍で足音が止まった。

…ん？

そして少しして私の頭に手が触れ、優しく撫でた

「悪かったね、巻き込んで
痛かっただろう？」

はい滅茶苦茶←

「妾の異能じゃもう如何にも出来ない…本当、悔しいよ」

ん？

どゆこと？

私の傷治したの与謝野さんじゃないって事？

じゃあ誰だよ！え、治癒系の異能は少ないんじゃなかったっけ!?

『あの!!』ｶﾞﾊﾞｯ

「!?」ﾋﾞｸｯ

居ても立ってもいられず思わず目をかっ開いて起き上がると、与謝野さんに驚かれた。

まあそりゃそうか、死んだと思ってた奴が急にホラーかよって起き方したら私なら悲鳴上げるわ。

「あ、アンタ生きてたのかイ!?」

『えっと其の事なんですけど、私の傷治したの与謝野さんじゃないんですか!?』

あ、やべ。

「アンタ何で妾の名前と異能を知って────」

与謝野さんが目付きを鋭くさせて尋ねようとした瞬間、外から爆発音が聞こえ、電車が揺れた。

其れに慌てて与謝野さんが外を覗く。

「敦……！くそっ」

今の敦君と鏡花ちゃんが落ちたシーンだね。

扉の部分に手を着いて立ち上がると、再び電車が揺れた。

瞬間、ガコンと扉が外れて私の身体は外に投げ出された。

『────え？』

与謝野さんの手が私に向かって伸ばされる。

でも、

(嗚呼、之は無理だな)

与謝野さんの手が空を切るのを他人事のように眺める。

びゅうびゅうと鳴る風の音を聞き乍らどんどん落ちる。

之の高さなら水面に叩きつけられて死ぬだろうな、敦君みたいに身体頑丈じゃないし、嫌だ、私が何をしたの、何で私がこんな目に、死にたくない、

『だれか、』

そんな願いも虚しく、私の身体は水面に叩きつけられ強い痛みと共に再び意識が途切れた。

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