電車でうたた寝して目が覚めたら檸檬(爆弾)が足元に転がってきた件

檸檬が十一 ページ16

「丁度俺も腹減ッてたからついでで作るだけだ

別に申し訳ねェとか思わなくていい」

『で、でも…せめて手伝う位は…』

「何処に何があるか判ってねェのに手伝わせる方が手間だ

善いから大人しく座って待ってろ」

『ふぁい…』

中也さんのスパダリ感凄い…しゅき…

テレビを見ていていいとの事なのでソファで三角座りでテレビを見ていると、私が乗っていたと思われる電車のニュースが流れてきた。

『先日、横濱の電車が爆破された

犯人はポートマフィアの構成員と思われる

死者2名、行方不明者1名、負傷者47名の惨事となった、か…』

あれ、原作では行方不明者とか居なかった筈だけどな…

………

私じゃん!!

てか昨日!?私一日海に流され続けてたの!?

うっそー…

『何れも之も、彼の檸檬野郎(梶井)の所為だ…！』

次会ったら一発ぶん殴ってやる。

「出来たぞ」

『あ、はい！』

ぱたぱたとテーブルに駆け寄ると、綺麗に盛り付けられた色鮮やかなパスタが美味しそうな香りを放っていた。

『おぉ…』

「？如何した、食わねェのか？」

『有難く頂戴致します』

シュバッと椅子に座り、頂きます、と呟いて恐る恐る一口食べる。

『…！…ッ!!……!?』

うっま…！

え、何これプロ…!?

惚れてまうやろ!!

あ、違うわ元から惚れてたわ。←

因みに私は箱推しだから中也さんだけじゃなくて皆好きだよ！

「如何だ、美味ェか？」

『…です、
駄目ですよ之は！』

「？何か変だッたか？」

『違います、逆です！美味し過ぎますよ！胃袋鷲掴みされましたよ！』

くっ…私なんて「得意料理は暗黒物質(ダークマター)です☆」並に料理出来ないのに…！

因みにお菓子は何故か作れる。

まじで謎。

中也さんはぽかんとした顔をしていたが、少しして堪え切れないとでも云うように吹き出した。

「くくッ…急に如何したのかと思ったらンな事思ってたのかよ」

『そんな事じゃないですよ！私にとっては一大事です！』

「ンな大袈裟な」

『大袈裟じゃないですって！私の料理の出来なさ舐めないで下さい！』

「自慢する処じゃねェだろ其れ…」

面白そうに話す中也さん。

本当なら有り得ないんだろうな。

嗚呼、でも此処は居心地が善い。

戻る事がないよう、願おう。

彼の世界は退屈だ。

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