第七師団の女性少尉【ゴールデンカムイ】 (ページ20)

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貴『ありがとうございます!…いきなりこのようなことをお願いして…』

伍「いえいえ、大丈夫ですよ。」

伍長にお礼を言った九重は自分の身長より少し小さい銃を頑張って持ちながら列に並んだ。

訓「九重少尉!どうぞ！お先に!!」

並んでいた九重に訓練兵たちは次々と順番を譲ってくれる。

貴『え、あ…ありがとうございます』

断りきれない性格の九重は次々と順番を譲ってくれる隊員にお礼を言いながら前に進んで行った。

貴『!尾形上等兵!』

最前に着くと尾形上等兵が少し不機嫌な表情をしながら訓練兵達に教えていた。

尾「!…九重少尉…どうしてここに…」

貴『狙撃が苦手なので訓練兵さん達に混ざって練習をしているんです…あの、教えて頂けないでしょうか…』

尾形上等兵の銃の腕の評判はいいと部下から聞いている九重は彼にお願いした。

尾「はい、もちろんです」

尾形上等兵に教えてもらう承諾をもらった九重はいそいそと準備を始めた。

貴『えーっと…こうやって…』

不格好だが、一生懸命に銃の準備をしている九重に訓練兵は癒されている。無論、尾形上等兵もその1人だ。

貴『出来ました!』

尾「あの的を狙ってみてください…」

尾形上等兵はおよそ20～30メートル程離れている的を九重に狙撃させることにした。本人は絶対に当たらないと豪語している。

貴『ｳｩ…遠い』

尾「そのまま…そう、合わせて」

照準を合わせている九重に尾形上等兵は近づきはたから見たら抱きしめているような体制で教えている。こうやって教える方が見やすくていいのは誰もが知っているが、何せ相手は少尉だ。

貴『!!///』

好意を抱いているかもしれない男性の顔がいきなり近くに来てあっという間赤面になってしまった九重だがわ訓練中なので感情を押さえなければいけない。

貴『!当たりました!』

銃の引き金を引いた九重は見事に的に命中した。
これは嬉しい。自分で狙撃をしたらまず当たらない。

尾「九重少尉は下手ではないですよ…教え方の問題ですね…」

尾形上等兵はサラッと上官の悪口を言ったが、それは聞き流してあげよう。

訓「九重少尉!流石です!」

九重少尉の周りには訓練兵達がゾロゾロと集まり始めた。尾形はその波に巻き込まれて九重から離れてしまった。

貴『ありがとうございます!尾形上等兵の教え方が分かりやすかったからですよ。』