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20センチほど上にあるシリウスの顔を見上げる。視線が私たちに集まっているのにもかかわらず、シリウスは私の瞼にキスをした。きゃあ、と女の子の悲鳴が上がる。その悲鳴は私を羨むものもあれば、シリウスの色気にやられたもの、私を恨むものまである。
シリウスが私の視線を誘導するように目を横へ動かす。私はそれにつられて視線を向けた。そこにはリリーとジェームズがいた。
「リリー!僕と付き合ってください!」
顔を真っ赤にしたジェームズがリリーに頭を下げ、手を差し出している。周りは人気者のジェームズの一世一代の告白に、おぉ、と感嘆の声を上げた。私はまるで自分のことのように心臓がどきどきと動き、リリーの返事を待った。ジェームズがリリーのことを大好きなのは知っている。リリーがジェームズに少しずつ行為を寄せているのも知っている。
リリーの手がゆっくりと動き、そしてジェームズが差し出す手のひらに、彼女の手が重なった。
「よ、よろしくお願いします…」
リリーは顔を真っ赤にしてそう答えた。私は嬉しくて目の前にいるシリウスに抱き着く。シリウスは私を簡単に抱き留めた。私はあまりにも嬉しくて、リリーの元へ駆け寄り彼女にハグをした。鼻がツンとする。うれしい!
「わ、A!もー、何泣いてるのよ」
「うえーん!嬉しい!!ジェームズよかっだねえ"!」
「ちょ、君泣きすぎだよ!」
2人を丸ごと抱きしめる。親友同士が付き合うなんて、こんなにうれしいことは無い。3年後にはハリーが生まれる。私は絶対にハリーを守るし、リリーもジェームズも絶対に守る!
ぎゅうぎゅうと2人を抱きしめていると、ふと足元に違和感を覚えた。不思議に思って二人から少し離れ、足元に視線を落とすと私の着ていたドレスの形が変わっていた。
マーメイドドレスだったものが、まるでプリンセスが身にまとうようなボールガウンドレスに変化していた。腰には黒色のバラがあしらわれ、少し身じろぐだけでふんわりとスカートが浮く。周りにいた人たちはみんな口々に綺麗、と私のドレスを見て言う。リリーも素敵なドレスね、と笑っている。こんな仕掛けを施すのは絶対にレギュラスだ。
シリウスが私に近づいてきて、タイミングよく音楽が鳴る。腰に手を添えられてゆらゆらと揺れ、手を合わせてくるくると回る。ドレスが重たくて、少し回るだけで遠心力が働く。それでもシリウスがしっかりと支えてくれているので問題なく踊れている。
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アネモネ(プロフ) - 樑さん» コメントありがとうございます!大変恐縮です!できるだけ高頻度で更新していきますのでこれからもよろしくお願いします! (2023年1月25日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
樑(プロフ) - こんなにどっぷりハマったのは初めてです!更新楽しみにしています! (2023年1月24日 14時) (レス) @page32 id: 50d680b84b (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - なのこ5546さん» コメントありがとうございます!こちらこそこんな長い話を呼んでくださりありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2023年1月23日 21時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 他にはない設定でとても面白かったです!!一気に読んじゃいました^^更新は大変だと思いますが頑張って下さい、応援しています! (2023年1月23日 11時) (レス) @page23 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ありがとうございます (2023年1月20日 18時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アネモネ | 作成日時:2023年1月12日 6時