His Extra Edition ページ50
俺には友達がすべてだった。親は俺を愛していない。都合よく動く手駒が愛しいだけ。そんなことに気が付くのは難しいことではなかった。ホグワーツに入学し、唯一無二の友人を手に入れた。ジェームズ、リーマス、ピーター。3人が居ればほかはどうでもよかった。すべての人が外野で脇役。興味もなかった。しかし、そんな狭い俺の世界にじわじわと入ってきたのはAだった。
彼女に夢中になっているうちに世界は広がった。リリーが居て、悪役スネイプも入ってきた。一度世界から追い出したレギュラスも、両親も。
彼女は俺にいろんなものをもたらした。悪戯仕掛人しか知らない俺に、恋を教え、女友達を教え、嫌な奴の存在も教えた。失望される苦しみも、悪さの後の反省も、許された時の安堵も。彼女の両親に会えば、本物の家族を学んだ。世界が広がれば視野が広くなり心に余裕が生まれた。
彼女に変えられたのは俺だけじゃない。ジェームズだって変わった。彼女が居なければリリーと結ばれる未来も無かったのかもしれない。リーマスも、人狼だからと自分を卑下しなくなった。ピーターなんて、腰巾着なんかじゃない、俺たちに意見を言うようになった。レギュラスは彼女を姉と呼び、両親は別人のように彼女にやさしく接する。
彼女は自分の影響力を正しく理解できていない。彼女が思っている何倍も彼女の存在に救われた人が居るのだ。
そんな彼女から無償で無限の愛を注がれ、愛を返す権利を持っているのは俺だけだ。だから、彼女の全てを受け入れたい。臆病で俺の記憶を消そうとしたのも咎めない。だから、受け入れるから離れないでほしい。
夜、一つのベッドに二人で身を沈める。この瞬間がもっとも気の緩んだ時間。この時代には貴重な時間だ。俺は彼女のおなかに顔を埋め、抱きしめる腕に力を入れる。
もう二度と俺から離れることが無いように。
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以上番外編でした。
『シリウス・ブラックを幸せにしたい転生者IV』を読んでいただきありがとうございました。続編もどうぞよろしくお願いします。
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アネモネ(プロフ) - 樑さん» コメントありがとうございます!大変恐縮です!できるだけ高頻度で更新していきますのでこれからもよろしくお願いします! (2023年1月25日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
樑(プロフ) - こんなにどっぷりハマったのは初めてです!更新楽しみにしています! (2023年1月24日 14時) (レス) @page32 id: 50d680b84b (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - なのこ5546さん» コメントありがとうございます!こちらこそこんな長い話を呼んでくださりありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2023年1月23日 21時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 他にはない設定でとても面白かったです!!一気に読んじゃいました^^更新は大変だと思いますが頑張って下さい、応援しています! (2023年1月23日 11時) (レス) @page23 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ありがとうございます (2023年1月20日 18時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アネモネ | 作成日時:2023年1月12日 6時