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無理に発言しても、それはそれでいつもの私じゃない気がしてつい押し黙ってしまう。話しかけられれば普通に対応できるが、どうにもみんなで話していると聞き側に回ってしまうのはしょうがないことだった。


「いつも通りが分からなくって…」


私が困ったように笑えば、シリウスは馬鹿だなぁ、と私の額を軽く小突く。正直、シリウスに対してだって後ろめたさがあるのに、彼らに普通に接することができるわけない。


「いつも通りだって思うから、いつも通りじゃなくなるんだろ?」


それはそうなんだけれど、と私は言葉を濁す。それができたら今頃私は困っていないだろう。シリウスはそれをわかっているのか、なんとかしてやるよ、と私の頭をわしゃわしゃとなでた。

大体の料理が完成し、シリウスがみんなを呼んで来いと私に言う。気まずいからいやだと視線で訴えるが無視される。私は覚悟を決めて、いつもよりゆっくり階段を上った。

客間の扉は閉じられていて、コンコン、と二回ノックをする。すぐに扉が開いて、中の様子を伺えば、見違えるほど素敵な部屋になっていた。

一体何人の客を呼ぶ前提にしているのかわからないくらいに部屋は拡張されている。みんなが使うのならば4人用でいいはずなのに、軽く10人は想定されているようだ。壁の色はリリーのものが採用されたようで、羊皮紙のようなきなり色だ。茶色でたくさんの細かい模様が入っている。入口右側の壁に近づいてよく見てみれば、模様には百合の花、鹿、狼、犬、ねずみ、猫など見覚えのある動物や植物が描かれている。扉から入って正面には暖炉が設置されていて、その上には大きな楕円型の鏡。この部屋に煙突なんてなかったはずなのに、ちゃんと暖炉は機能している。暖炉を囲うように赤のソファが置かれていて、その真ん中にアンティーク調のローテーブル。壁際にもいくつか椅子が設置されている。


「素敵…!」


とても気に入った。私がそう言葉をこぼしたら、ジェームズが仕掛けもたくさん作ったんだ、と悪戯仕掛人らしいことを言ってきた。是非聞きたかったが、せっかく聞くのならシリウスと一緒に聞きたい。なんなら全部屋ができてから見たい。そう伝えれば、ジェームズはそれもそうだ、と笑った。


「それで?何か言いに来たんでしょ?」
「あ、そうそう。ご飯できたって伝えに来たの」


みんなはありがとう、と笑って部屋から出る。

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設定タグ:ハリーポッター , シリウス・ブラック , 救済   
作品ジャンル:恋愛
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アネモネ(プロフ) - 樑さん» コメントありがとうございます!大変恐縮です!できるだけ高頻度で更新していきますのでこれからもよろしくお願いします! (2023年1月25日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こんなにどっぷりハマったのは初めてです!更新楽しみにしています! (2023年1月24日 14時) (レス) @page32 id: 50d680b84b (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - なのこ5546さん» コメントありがとうございます!こちらこそこんな長い話を呼んでくださりありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2023年1月23日 21時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 他にはない設定でとても面白かったです!!一気に読んじゃいました^^更新は大変だと思いますが頑張って下さい、応援しています! (2023年1月23日 11時) (レス) @page23 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ありがとうございます (2023年1月20日 18時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アネモネ | 作成日時:2023年1月12日 6時

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