シリウス・ブラックを幸せにしたい転生者IV

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テレビをぼんやりと眺めるシリウスの肩に頭を乗せる。そんな私の頭に、さらにシリウスの頭が乗せられた。

今日の天気はどうだとか、新しい映画がどうだとか、アナウンサーがテレビの向こうで説明している。シリウスにとって、マグルの文化は不思議に思うようで、今度映画を見に行きたい、と笑った。今度と言わず、明日にでも見に行こう。私もシリウスにマグルの文化をたくさん見せてやりたいのだ。

今日は１０時にみんなが来ることになっている。以前、シリウスが家を建ててもらうとジェームズとリリーに話したところ、客間は僕たちが使うから、といろんな要望が出たらしい。それなら来てもらって好きにしてもらおう、ということになったのだ。

２人暮らしの私達には一軒家は広すぎる。魔法でいくらでも拡張することができるが、とくに必要も無いため部屋の広さは一般的なイギリスの家と同じだ。私たちが生活でつかう部屋は一通り家具を置いたので、あとは客間と庭、コンサバトリーだ。その三つをみんなに好きにしてもらう予定だ。

２人でダイニングに移動し、朝食を食べる。朝食はイギリス人らしく、目玉焼きに豆、ソーセージ、ベーコン、トマトを焼いたもの。特に私たちの間に会話は無い。

前世から生きている私だが、わからないことだらけだった。今、分からないのはシリウスをはじめとした悪戯仕掛人とリリーにどんな対応をとればいいのか、だった。みんなの記憶を消そうとしたこと自体、正直後悔していない。だが、失敗してしまった今、反省はしているのだ。その反省をみんなに伝えたいのだが、いかんせんその塩梅が難しい。

あんなにひどいことをしておいて、今まで通り馴れ馴れしく、まるで何もなかったかのように接するのは間違っているだろう。しかし、あからさまに避けるのも、テンションを下げるのもどうかと思う。私は加害者なのに被害者面しているみたいになる。まだ卒業して６日、みんなと顔を合わせていないのも６日だけなのだが、さっそくいつも通りの対応が分からなくなっていた。

黒のスキニーパンツに黒のへそ出しインナーを着る。みんなが来たらさすがに半そでの薄いジャケットを羽織るけれど。シリウスも黒で統一された服を着ている。やっぱりシリウスは黒が似合う。

カンカンカン、と三回ドアノッカーがたたかれる。時間的にもみんなが来たのだろうが、念のため杖を手に持ち、シリウスが玄関へ出迎えに行った。扉の前に居たのは当然悪戯仕掛人とリリーだったが。

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