Our New House ページ35
ジェームズの作戦会議後、私はシリウスに連れられてさっさと婚約届を提出した。そりゃあもうすごい勢いで抵抗した。だって、さっきシリウスに暴言吐いたばかりだし、記憶消そうとしたし。しかしシリウスは悲しそうな声で、俺と結婚するのは嫌か…?なんて言い出すのでサインするしかなかった。
その日は実家に帰ったが、3日後にはオリオンが用意してくれた家に移った。魔法とは便利なもので、見た目はイギリスのマグルの一般的な一軒家だが、内装は魔法で好きなようにできる。寝室のベッドはクイーンベッドで、イギリスらしくアンティーク調だ。そのベッドに二人で身を沈める。低反発で一度転がったら起き上がれる気がしない。
この家に住み始めてまだ2日、この寝室も今日ようやく完成したものだ。ベッド、場所、窓の位置、カーテンの色、サイドテーブル。この2日で完成したのはリビング、キッチン、寝室だけ。ほかにもシャワールームとかトイレとか客間とか庭とか残っている。
シリウスは私の顔を胸に埋めるように抱きしめる。シリウスは黒いタンクトップを着ていて、直に彼の体温が伝わってくる。相変わらず私は体温が低いので、シリウスが温かく感じる。
「…本当にごめんなさい」
私はシリウスの胸から顔を話して彼の顔を見上げる。シリウスは気にしていないようにふるまうが、私はそう簡単に割り切ることもできない。自分が死ぬときは、シリウスも一緒に殺すなんて大口たたいておいて、実際に自分が死ぬ可能性が浮上すれば手のひら返して記憶を消そうとしたのだ。クリスマス休暇の時は、自分が死ぬことなく、周りの人も死なずにヴォルデモートを倒せると思っていたのだ。共に死んでくれ、と言いはしたが、私は全く覚悟ができていなかったようだ。
「いいって。もう2度と俺から離れなければ」
見上げる私のおでこにキスを落とすシリウス。いつまでも私がこんな調子じゃいけないのはわかっているが、上手く切り替えができないのだ。なるべく普通を装うけれど、罪悪感から彼に触れるのを戸惑ってしまうし、話しかけるのも勇気が必要だ。シリウスはそれをわかっていて、彼の方から触れてくれるし話しかけてくれるという甘やかしぶりだけど。いっそのこと、怒ってくれたらいいのに、と思うくらいには甘やかされている。
「…明日は早く起きるんだろ?もう寝よう」
ぐ、と頭を彼の胸に押さえつけられる。同じボディソープの香りがする。私はその香りを肺一杯に吸い込んで吐き出した。
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アネモネ(プロフ) - 樑さん» コメントありがとうございます!大変恐縮です!できるだけ高頻度で更新していきますのでこれからもよろしくお願いします! (2023年1月25日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
樑(プロフ) - こんなにどっぷりハマったのは初めてです!更新楽しみにしています! (2023年1月24日 14時) (レス) @page32 id: 50d680b84b (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - なのこ5546さん» コメントありがとうございます!こちらこそこんな長い話を呼んでくださりありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2023年1月23日 21時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 他にはない設定でとても面白かったです!!一気に読んじゃいました^^更新は大変だと思いますが頑張って下さい、応援しています! (2023年1月23日 11時) (レス) @page23 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ありがとうございます (2023年1月20日 18時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アネモネ | 作成日時:2023年1月12日 6時