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「少し話を変えよう。Aが知っている分霊箱の破壊方法は3つだ。1つは悪霊の炎。これは一握りの魔法使いじゃないと扱えない。Aはこの選択肢を捨てた。もう1つはグリフィンドールの剣。真のグリフィンドール生しか扱えない。Aはこの選択肢も捨てた。正直、なぜ自分が真のグリフィンドール生になり得ないと思ったのか疑問だけれど。残る一つは、バジリスクの猛毒。彼女はこの選択肢を選んだ」


僕なら、グリフィンドールの剣を手に入れることを優先するんだけどなあ、とジェームズは言う。それに続けて、ダンブルドアなら悪霊の炎を扱えるかもしれない、とリリーは言った。


「実はこのバジリスク、ホグワーツに居るんだ。Aはそれを知っていて、5年生の2月にバジリスクと対峙した」
「5年生の2月と言えば…」
「俺がAを振ったとき、か?」


ずっと黙っていたシリウスが話す。耳元で放たれる声に意味もなく鼓動が早くなる。ジェームズはそうだね、と静かに言った。


「Aにべったりだったシリウスが離れ、一人になったAは今しかない、とバジリスクの元へ向かった。バジリスクは目を合わせれば即死する。3階の女子トイレにいる嘆きのマートルがバジリスクの被害者だ」


リリーがソファから勢いよく立ち上がる。そして、我に返って力なくソファに再び腰を下ろした。そして、消え入りそうな声で、目を合わせれば即死、毒を受けても死ぬなんて、とつぶやいた。


「Aは無事バジリスクの猛毒が付いた牙をゲットした。ただ、その牙で噛まれたので死にかけだ。Aは目撃したマートルの記憶を朦朧とした意識の中で消し、自力で医務室へ向かった。驚きだよ、満身創痍のはずなのに、歩いた後の血痕をきれいに魔法で消していくんだ」


私はそんな記憶ない、とつぶやいた。すると、ジェームズは面白い、というように興味深そうに笑った。記憶とは不思議なものだね。君が覚えていなくても、脳の引き出しの奥深くに仕舞われているだけ、って。ジェームズは他人事のように笑う。

つまり、私がもう意識を失くしたと思っている部分の記憶も、ジェームズはしっかり知っている、ということだ。

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設定タグ:ハリーポッター , シリウス・ブラック , 救済   
作品ジャンル:恋愛
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アネモネ(プロフ) - 樑さん» コメントありがとうございます!大変恐縮です!できるだけ高頻度で更新していきますのでこれからもよろしくお願いします! (2023年1月25日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - こんなにどっぷりハマったのは初めてです!更新楽しみにしています! (2023年1月24日 14時) (レス) @page32 id: 50d680b84b (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - なのこ5546さん» コメントありがとうございます!こちらこそこんな長い話を呼んでくださりありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2023年1月23日 21時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 他にはない設定でとても面白かったです!!一気に読んじゃいました^^更新は大変だと思いますが頑張って下さい、応援しています! (2023年1月23日 11時) (レス) @page23 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ありがとうございます (2023年1月20日 18時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アネモネ | 作成日時:2023年1月12日 6時

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