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「とりあえず、Aには前世の記憶があって、その記憶によって僕たちのことを知っていた、ってことでいいんだよね」
リーマスが簡潔に話をまとめてくれる。ジェームズはそれに頷いた。ピーターが紅茶をゆっくりと持ち上げて、一口飲む。そして、僕は今のところ理解できてるよ、と真剣な顔で言った。リリーもそれに頷いた。ジェームズは、じゃあ、なぜAがシリウスの幸せにこだわるのか、話そうか。と言った。
「本の中で、僕たちは全員死ぬ」
私は目を閉じた。なんだこれ。君たちは今から死にます、って。そんなこと知りたいわけないじゃないか。
「さすがにみんながどうやって死ぬかなんて言えないけどね。まあ、シリウスが一番ひどかったよ。Aが未来を変えたいと思うのも当然だね。ただ、物語全体で見ればハッピーエンドなんだ。物語の舞台は1991年から始まる。その年にホグワーツに入学した男の子が主人公だ。彼が7年間かけてヴォルデモートを倒す物語。その過程で僕たちみんな死ぬんだよね。あ、ちなみにスネイプも死ぬし、ダンブルドアも死ぬ」
主人公とその一味以外は死ぬなんて王道の物語進行だよね、とジェームズは笑う。作者にまんまと殺された!と。
「…それなら、ヴォルデモートが死ぬのは今から20年後…?」
「物語通りならね。Aが何もしなければ20年後にヴォルデモートが確実に死ぬ。何もしなければ、ね。まあでもみんなご存じの通り、Aは20年間僕たちが死ぬのを傍観できるタイプじゃない。このホグワーツ在学中の7年間たぁくさんやらかしてくれているよ」
ここまで前置き、とジェームズは笑う。Aの背景が分かったところで、Aがどんな行動をしたのか暴露していこうじゃないか、と。最悪だ、せめて気絶くらいさせておいてほしい。
「Aの目的は、僕たちを死なせないこと。そのためにはヴォルデモートを倒すしかない。ヴォルデモートの倒し方は、」
「待って!」
言わないで、みんなが知る必要ないでしょ!とジェームズに怒鳴りつける。だって、もう分霊箱を破壊する目途が見えている。みんなが知る必要は本当にないのだ、何も知らなくたって勝手にヴォルデモートが死ぬ段階まで来ているのだ。
「もうほとんどやることは終わってるの。みんなヴォルデモートの殺し方なんて知らなくたって、もうすぐ殺せる」
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アネモネ(プロフ) - 樑さん» コメントありがとうございます!大変恐縮です!できるだけ高頻度で更新していきますのでこれからもよろしくお願いします! (2023年1月25日 9時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
樑(プロフ) - こんなにどっぷりハマったのは初めてです!更新楽しみにしています! (2023年1月24日 14時) (レス) @page32 id: 50d680b84b (このIDを非表示/違反報告)
アネモネ(プロフ) - なのこ5546さん» コメントありがとうございます!こちらこそこんな長い話を呼んでくださりありがとうございます!更新頑張りますので、これからもよろしくお願いします (2023年1月23日 21時) (レス) id: ddc7a24158 (このIDを非表示/違反報告)
なのこ5546(プロフ) - 他にはない設定でとても面白かったです!!一気に読んじゃいました^^更新は大変だと思いますが頑張って下さい、応援しています! (2023年1月23日 11時) (レス) @page23 id: 2327b9d39c (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - ありがとうございます (2023年1月20日 18時) (レス) id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アネモネ | 作成日時:2023年1月12日 6時