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「はぁ、はぁ、ようやく追いついた……お前何誤解してんだよ……はぁ、」
「はぁ、いや、だってうっしーがAちゃんにキスしようとしてるから……」
「はぁ!?!?んなわけねぇだろ!!」
2人して息を切らしながら廊下に座り込んで話す
どうやらレトルトの角度からはそう見えたらしく、変な誤解を解いてやった
「なんだ…教えてただけか」
「なんだってなんだよ……所で、急に来てどうした?」
俺が聞くとポン、と手を叩くレトルト
「いや、Aちゃんに用があったから校内探しててさ!それで見つけたけど、まぁうっしーがあんなことしてるから…」
「だからしてねぇつーの!!」
ふざけてるレトルトにツッコミながら「用あるなら一緒に行くか」と声をかける
「いや!俺Aちゃんに"だけ"用があるから今日はいい!じゃあうっしーがんばれー!」
「あ!おい!!」
なんだか引っかかる言い方をして去っていくレトルト。なんだったんだアイツ………
・
「牛沢くんおかえり」
「わりぃ…なんかあいつ勘違いしてたみたいだわ」
教室に戻るとどうやら自力で先程の分からないと言っていた問題を解いていたA
答えを確認するとバッチリで「完璧じゃん」だなんて褒めると「やった!」と小さくガッツポーズをしていた
・
完全退校時間になり、二人で廊下を歩き学校から出て駅に向かった
「今の感じなら生物良い点取れそうじゃん」
「牛沢くんこそ、古文バッチリだよ」
お互い褒めながら駅に向かう
すっかり秋も終わり冬がやってきたような寒さに思わず「さむ、」と声に出てしまった
「やっぱり夕方は寒いね…明日はマフラー持ってこなきゃ」
少し楽しそうに言うA
「なに笑ってんの」
と聞いてみるとふふふ、と笑ってスマホの画面を見せてきた
「冬に駅の近くでイルミネーションがやるんだよ!私、イルミネーションって昔から好きでさ!」
本当に楽しそうに言うAをみて俺まで笑顔になってしまう
チラリと見えた日付には『12/25』の数字
クリスマスか……Aと過ごしたら楽しいだろうな、と思ったものの誘えずに駅に着いてしまった
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作者名:こっぺ | 作成日時:2022年10月4日 14時