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意識がほとんどない中、志麻先輩が私に覆いかぶさってきたことがわかった。
服に手をかけられて驚き、本能的に抵抗をしなければならないと察知して、少しづつ目を開くとやはり志麻先輩は服を脱がせようとしていて、何をしようとしているかなんて、考えなくてもわかってしまった。
怖くて、手を払い退けようとすると志麻先輩は小さい声で呟いた。
「・・・A、Ωなんや」
こんなことをされている時点で何となく察していたが、バレてしまった。
1番、バレたくなかったのに。
「ぁ・・・、そ、それ、は・・・」
焦って、抵抗して、そんな私を無視して志麻先輩は私の首元辺りに舌を這わせていた。
「俺はええよ。むしろ嬉しいし。」
「・・・な、なん・・・で・・・」
何が言いたいか、分からない。頭が働かない。
「ほんま、鈍感やなぁ」
「好き」
好き、その2文字を一瞬理解できなかった。
「・・・へ」
理解した途端顔が真っ赤になる感覚があった
「ふは、間抜けな顔。顔真っ赤やし。」
「なー、そんなぽけーっとしとるとあっちゅうまに食ってまうで?」
志麻先輩はそう言って、私の首元に勢いよく噛み付いた。
突然走る強い痛みで悲鳴も声にならず、涙が溢れそうになる。
「っい・・・!・・・ぇと、ぁ・・・」
「・・・わたしも、せんぱいのこと、すき、で、す・・・・・・・・・」
「嬉し〜、両思い?」
頷くが、なんだかその言葉を聞くと顔がまた赤くなってしまう感覚があった。
「あははっ、顔真っ赤や。」
「っひゃ、」
いきなり抱きつかれたかと思ったら、項の辺りをつーっとなぞる様に触れられる。
「なぁ、今からシて、ここに噛み付いてもええ?」
頷くと、そう答えると思っていなかったのか驚いた顔をされる。
「・・・ホンマに言うとる?」
また頷くと、何故か先輩は不服そうな顔をする。
「そんな簡単に、相手信用するとか心配なんやけど・・・」
「せ、先輩なら・・・一途なの、知ってるので・・・」
いつも話している時に、好きなものに対して一途なことが垣間見えていて、いわゆる恋バナなんてことをしていてもそんなところが見えていた。
「・・・俺、めちゃ嫉妬するで?めんどくさいで」
「志麻先輩なら、いいです」
「・・・そんなこと言われたら手加減できひんけど」
「いくら泣き喚いても、やめれんから」
そこからはお砂糖よりも甘くて、溶けちゃいそうな時間だった。
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がむしろ(プロフ) - とてもおもしろかったです!控え目に言って最高です…リクエストしたいです!よくあるかも知れないんですけど、彼シャツした夢主ちゃんがカーペットやソファーに倒される、っていう感じのものをお願いしたいです! (2022年3月28日 22時) (レス) @page2 id: b2402acd1c (このIDを非表示/違反報告)
Latte - 初めて見させていただきました!やばい……自分好み過ぎる!!!更新楽しみにしてます! (2022年3月28日 21時) (レス) @page6 id: 6fbca39ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:志春 | 作成日時:2022年3月26日 19時