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刃はまっすぐに鬼の脇腹に刺さった


鬼の着ている服に真っ赤な血がにじんだ


鬼は一瞬苦しそうに呻いた


だがすぐに回復してしまう


呼吸の使えない私は頸の斬り方を知らない


『誰かっ』


大声で叫ぶものの深夜の今、来る人はいない


駄目だ


誰かが来るまで持ちこたえなくては…


今度は鬼の腕に刃を振るった


鬼は先程と同じように呻いて回復するだけだ


ふとこの鬼に違和感を感じた


なぜ攻撃してこない?


怪我をしてから回復をするには人を喰べなくてはいけないのではなかったのか?


いや、何も攻撃してこないことを責めているのではない


むしろ有難いくらいなんだから


『ねえ、誰かっ』


もう一度腹のそこから声を出して叫んだ


お願い、誰か来て


長い間鬼と闘って来なかった私は鬼に慣れていない


実を言うと、今私の足はガタガタ震えている


怖くて怖くて仕方がないのだ


そんな私の様子を見たのか、鬼は私に向かって手を伸ばしてきた


血鬼術でも使う気か?


冷や汗が止まらない


私は刀をかまえた


「大丈夫か!?」


いきなり廊下から人が現れた


会いたかった人だ


『大丈夫です、でも鬼が───』


鬼がいる、緊急事態だ、そう言おうとしたのに


「大丈夫か!?禰豆子!!」


彼は鬼の所に走っていった

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re-to(プロフ) - 気づいたら目から涙が流れてました。誰も幸せにならない話は久しぶりに読んだので色んな人の気持ちを考えるとすごく辛くなりました。とてもいい話を書いてくださりありがとうございます。 (2022年6月10日 21時) (レス) @page36 id: 15c8ca49bf (このIDを非表示/違反報告)
天霧(プロフ) - 妹ちゃん…。なんていうか、鬱になる終わり方でしたね。姉に認められたい、皆に認められたいだけどその期待に答えられなかった。辛いですよね…。今回はしのぶちゃんが凄い嫌な感じって言ったらいいのかななんか凄くて私なら恨みそうです。私なら鬼になりたいって思う‪ (2021年9月27日 23時) (レス) @page36 id: 8490818b21 (このIDを非表示/違反報告)
まチョコ - しのぶさん…本当はこんなことしたくなかったんだろうな…。本当は妹として…認めたかったんだろうな。悲しい。頑張ってください。 (2021年9月27日 21時) (レス) @page34 id: b9e98ac7b6 (このIDを非表示/違反報告)
mitunari1985(プロフ) - す、凄い鬱になる…のに何回も読んでしまうのは何故なんだ…この世界線のしのぶさんカナエさんにガチギレされるのでは?自殺に追い込んでる訳だし、皆んなと結託して攻撃してるしなぁ (2021年5月25日 0時) (レス) id: a4d6628367 (このIDを非表示/違反報告)
パッショーネ・バルサン - 貴様っ(ジョジョを)見ているなっ! (2020年6月25日 20時) (レス) id: e3cb6683f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:小夜子 | 作成日時:2020年1月27日 17時

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