胡蝶家末妹は出来損ない【鬼滅の刃】

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『誰ですか？』


彼に対する第一声はこれだった


いや、別に名前が知りたいのでもないし気になるわけでも無いが無駄な焦燥感が先走ってしまったのだ


「俺は竈門炭治郎だ！君はしのぶさんの妹か？」


人当たりの良さそうな笑みで聞いているが言っている事が謎だ


どうして私が姉様の妹だと分かったの？


カナヲは喋らないし


アオイさんやなほさん達も言わないだろう


まさか姉様が伝えるはずもない


疑問符を浮かべている私の気持ちを察したのか


「ああ、しのぶさんと同じ匂いがしたんだ。俺は人よりも鼻が利くんだ。」


匂いで分かるものなのか？


だが姉様と同じ匂いがすると言われて悪い気はしない


『まあそんなところですね。竈門さん、私の名前は胡蝶Aです。』


とりあえず会釈はしておいた


「炭治郎で良いぞ！それで、ここで何をしていたんだ？」


『えっと…鍛錬をしようかと』


地面に転がっている刀を見たのか


「さすがに真剣は危ないぞ？訓練場に木刀があったからそれを使ったらどうだ？」


と心配そうに尋ねてきた


気持ちはありがたいのだが借りるのは申し訳ない、というか貸してくれる気がしない


『大丈夫ですよ。ありがとうございます。』


そういえば蝶屋敷にいるということは炭治郎さんも鬼殺隊の隊士なのか


『あの…申し分なければ呼吸について教えて頂くことって出来ますか？』


私も呼吸を使えるようになりたい


その一心だった

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