俺がいなくたって。【Kyohei.T】 (ページ6)

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恭平 side

入院して1ヶ月が経った。今となっては髪の毛も抜けてもーたし、俺はウィッグつけてる。

放射線の治療もやってるけど、うまくいかへんねんてさ。

アイドルとして過ごす1ヶ月と、病人として過ごす1ヶ月は、全然違って。

今は1日すら長く感じる。毎日副作用で吐き気とかするし、ベットから降りれへん。

俺が入院してから役割を決めたらしくて、お見舞い担当は、みっちーと大吾くんらしい。

大「高橋ー、雑誌、」

目の前に置かれる大量の雑誌たち。アイドル系の雑誌は、読むようにしてる。

でも、今日は読みたくなくて。俺がおらん間もみんなアイドルなのが羨ましい。

テレビをつけたら、丁度なにわのコーナーで。

『今日は6人全員ででくださるんですね！』

...俺が、なにわにおらんくても、なんも変わってない。ブチ、とテレビを消す。

駿「...恭平、？」

「6人"全員"って、言った。俺もメンバーやのに。俺、おらんでも...。俺がおらんくてもなにわは成り立ってるやんか！！俺なんか必要やないんやろ！！」

そう言って、雑誌たちを机から払い落とす。ばさばさっ、て音が部屋に響く。

大「...高橋がおらんでもなにわが成り立つのは当たり前や、」

「...なんで、、俺は要らんの？」

大「そーゆーことやない。みんなは高橋のこと待ってる。けど、お前が入院してもう1ヶ月たっとる。やから、ファンの方も高橋のおらんなにわ男子にちょっと慣れたんやって。みんな高橋のこといらんとか、思ってないから。」

「...そんなん、そんなん大吾くんにわかんの！？俺の苦しみも何も分からんのに！！分からんくせに...」

大「...あーそーやな、お前の苦しみは分からん。全くわからん。」

「帰って。会いたくない、もう誰にも会いたくない！！みっちーもはよ出てって！！俺は、俺はあと...っ、やっぱりなんもない。」

2人が帰った後も、みっちーのあの傷ついた目が頭から離れんかった。

余命のこと、言えてへんのに。やのに、喧嘩してもーた。