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「ボードゲームってリバーシとかチェスとかですか?」
花江「ん、そんな感じ。Aちゃん他にどんなの知ってる?」
「ダイヤモンドゲームとかシークエンスとかそれくらいしか。囲碁は教えてもらったのに全然わかりませんでした。新しいものは全然わかりません。」
賢章「へー、ところでダイヤモンドゲームって何?」
賢章がえへへと首を傾げた。あまり聞き慣れないゲームだ。
「中国のほうで小さな子がよくやるゲームです。ダイヤモンド形のマップの上で対極の陣地に自分の駒をいち早く収めた人が勝ちっていう。駒を動かせる場所に条件があって。」
花江「へぇ〜、初めて聞いた。」
「ちなみに、高校で中国語を選択して学んでいたことがあるので簡単な会話くらいならできますよ。」
へへん、と鼻高々なAの様子を見るに、緊張はだいぶ解けたらしい。
賢章「すごーい、他にはなんか話せるの?」
「英語は日常会話に苦がないくらい、スペイン語が少し、ドイツ語は一つ単語を知ってるだけで。」
Aがおもむろに筆立てからボールペンを抜き取った。
「これ、『クーゲルシュクライバー』。」
花江「ん?何て?クーゲル……?」
聞き慣れない単語に花江が聞きなおす。
「クーゲルシュクライバー。ドイツ語はこれしか知りません。」
先生「そんな使いどころのなさそうな……、「さ!ボードゲームしましょう!何をするんですか花江さん!」
先生のぼそっと呟いた言葉をかき消すようにAが声を大きくした。
花江がケラケラと笑った。
花江「色々持ってきたからたくさんやろうよ、まずは……これ!」
花江がガサゴソと取り出したのは『ハゲタカのえじき』と書かれた、ハゲタカの絵が描かれている箱
「ハゲタカのえじき……。」
Aが顔をパッケージに近付ける。
先生「あ、ほんとに知らないんだ。結構有名だよ。」
賢章「これ俺も花江くんとちょっとさっきやってきたから分かるよ。」
「へぇ〜……。ルール教えてください。」
ふんふんと興味深げにルールを読み込むAが三人にボロ負けするのは少し後のことだった。
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みき - 何回も読んでます、素敵な小説ありがとうございます!これからも頑張ってくださいね、応援してます。 (2022年8月21日 17時) (レス) id: 17c35a2d90 (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ましゅまろさん» わわっ無知晒してましたありがとうございます!直ちに修正いたしました!本当にありがとうございます!! (2022年4月2日 19時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ましゅまろ - 『お庭で』のお話で『沈丁花』という言葉が出てきたんですけどふりがなは『ちんちょうげ』です。細かくてすみません。! (2022年4月2日 15時) (レス) @page18 id: bcf7c7e9de (このIDを非表示/違反報告)
まめこ(プロフ) - ねぎしさん» ねぎしさん、コメントありがとうございます!なんと……!それは光栄です!ぜひ一緒に応援していきましょう! (2021年10月20日 17時) (レス) id: a66dababca (このIDを非表示/違反報告)
ねぎし - あっ、私も雷平気ですが花火は無理っていう…夢主ちゃんと同じですね、運命かn(((面白かったです!私実はまめこさんの小説見てからBin TRollさんの動画見始めたんです!!つまり、Bin TRollさんの動画見始めたきっかけはまめこさんだったんですよ!(話のオチは…) (2021年10月17日 15時) (レス) @page37 id: 28dad0896f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめこ | 作成日時:2020年7月12日 12時