地下世界 様子がおかしい? ページ7
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冷や汗が垂れながらも、警戒を怠らず博士を見つめる。立派なコシヒカリだなぁ!と嘲笑う予定だったが、危険だと脳が伝えてくる。
「……キミが原因の様だ。」
思い当たる節がありすぎて、思わず息を呑む。私に指を指して、探るように観察してくる。
「……っわ、私が原因?」
「ふむ……ケツイのソウル、か。なるほど、それならば頷ける。」
「!どういうことだ。」
言葉が詰まりながらも問う。
……私のソウルは決意のソウルだと確実に証明された。
「私にその口調はいらない。とは言っても、染まってしまったなら別にいいが。」
「……!」
元の口調にする時間も場所もあまりなくて、忘れかけていた。
今じゃこれが当たり前で、今更戻れと言われても元の口調に違和感を感じるだけかもしれない。
探り探り元の口調を思い出しながら、声を出す。
「……貴方は私の何を知っている、の?」
「全てとは言いがたいが、君の詳細についてというところか。」
本来、こういう状況では目をそらすなど危険なことだが、私はこの目に耐えられそうになかった。見透かされていそうなその目に。
今までずっと監視されていたのだろうか。
それこそ時間軸の一つ目から。
「君はとても興味深い。私の探究心を揺さぶる。」
「な、なるほど?ありがとうございます……?」
どうやら敵対的ではないようだ。少し肩の力を抜いても良いだろう。そもそも、ガスター戦が始まるとなると私の負けは決まっているようなものになる。
「そこでだ。私の知っている情報を知りたければ、私の要求を叶えて欲しい。」
「嫌な予感が……」
「そう死/ぬことはないだろう。正式に私の研究対象になってほしいんだ!」
「え、むりむりむり」
力の差が大きいことは分かっているが、それも忘れるぐらい首を左右に振り拒否した。
え、死/ぬじゃん。絶対に死/ぬやつじゃん。というか私の計画すら破壊されてしまう。
「自身のことをたくさん知れる良い機会になると思うのだが?」
「私の存在意義を知れるのは嬉しいけど、その前に死/にそうだから拒否したいです。」
そういうとガスターは考える仕草をし始めた。
コシヒカリと言ってやりたかったけど、まだ無理そうだ。
やっと目を逸らしてもらえたから、チラチラ見て博士を観察する。雰囲気イケメン……いや、イケメンだな。
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サイカ(プロフ) - アンテ民さん» 貴重なご意見ありがとうございます!これからの小説作りに参考にさせていただきます! (5月7日 23時) (レス) id: 8270b2e39b (このIDを非表示/違反報告)
アンテ民 - 少し愛されでも良いと思います! (5月7日 16時) (レス) @page11 id: 507c548666 (このIDを非表示/違反報告)
サイカ(プロフ) - 紅奈虹夢@虹茶さん» 貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせていただきますね。本当にありがとうございます! (4月4日 14時) (レス) id: 8270b2e39b (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢@虹茶(プロフ) - 愛されは別にいいかなぁ........恋愛要素があるとしても......愛され は なんか違う気がするなと (4月3日 18時) (レス) @page6 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
サイカ(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます!コメントは執筆の励みになりますので、本当にありがたいです! (3月29日 14時) (レス) id: 8270b2e39b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイカ x他1人 | 作成日時:2023年11月29日 20時