地下世界 嬉々として危険性。 ページ2
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「サンズ!今度こそ上手くいくかもしれない!」
「へへ、A……どうしたんだ?」
「あのニンゲンと交渉できたんだ!次は平和主義者ルートに向かって、この世界から離れてくれるって!」
「……何か裏があるんじゃないのか?」
「そんなことないよきっと。対価を用意したからね!」
サンズ以外に周りに誰もいないことを確認してから、嬉々として話す。
「いや、それならいいんだが……、あのニンゲンが応じる程の対価ってなんなんだ?」
「これまでにないハッピーエンドを、見せることだよ!」
「その対価に応じたのかあのニンゲンは……?」
複雑な気持ちから目を伏せたであろうサンズ。
きっと私がくる以前にもたくさんの時間軸が生まれている故に憎しみや悲しみは計り知れないものになっているのだろう。
そういう気持ちって消化しなくて良いのかな。
いつか溜まりに溜まって爆発するんじゃないかと。
私だったら爆発するどころか手にかけるね。
「なんか、ごめん。だけど、話を続けるね。」
リセットされる前に話をつけとかなければ……と言っても恐らく忘れられちゃうけど。
あれ。なら何も言わなくてもいいんじゃないか?
どうせ忘れるのに今だけ複雑な気持ちや不安な気持ちを考えさせてしまう私も図々しい。
「……A?お前さん、顔が__」
サンズの言葉にハッとする。
「__ごめん!忘れて!なんでもなかった!!」
今までの努力が泡となるのは本当にショックだけれど、
全てを救えるということに対しての感情の方が大きく、自然と口角があがっていた。
後ろから私を呼び止める声も聞こえないフリをした。
能力では止めに来ないらしい。
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「プレイヤー。」
私がそう声をかけると、振り向いた。
「リセットして平和主義者ルートに迎え。これが新しいハッピーエンドへの一歩だ。エンドロールを迎えたらお前は離れろ。いいな?」
プレイヤーは頷いた。
しばらくして私は意識を落とした。
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疑問がないのはおかしいんだ。
おかしいところだらけなんだ。
ここは一体どこなの?
現実なの夢なの?
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私は勘違いをしているかもしれない。
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サイカ(プロフ) - アンテ民さん» 貴重なご意見ありがとうございます!これからの小説作りに参考にさせていただきます! (5月7日 23時) (レス) id: 8270b2e39b (このIDを非表示/違反報告)
アンテ民 - 少し愛されでも良いと思います! (5月7日 16時) (レス) @page11 id: 507c548666 (このIDを非表示/違反報告)
サイカ(プロフ) - 紅奈虹夢@虹茶さん» 貴重なご意見ありがとうございます!参考にさせていただきますね。本当にありがとうございます! (4月4日 14時) (レス) id: 8270b2e39b (このIDを非表示/違反報告)
紅奈虹夢@虹茶(プロフ) - 愛されは別にいいかなぁ........恋愛要素があるとしても......愛され は なんか違う気がするなと (4月3日 18時) (レス) @page6 id: 763d4d21f9 (このIDを非表示/違反報告)
サイカ(プロフ) - 葵斗(別アカ)さん» ありがとうございます!コメントは執筆の励みになりますので、本当にありがたいです! (3月29日 14時) (レス) id: 8270b2e39b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイカ x他1人 | 作成日時:2023年11月29日 20時