おさななじみ兼こいびと。【中村悠一】

お届けものでーす。 ページ36

『失礼します〜』

そう言ってから回りを見渡すとこちらに視線が集まっていた。そりゃ見るよね、お前誰だよってなるもんね、わかるわかる。……ヒェッ櫻井さんだ……マモだ……しもんぬだ……えっ……かわいい……とうとい…………ｱｯやべ、取り乱した



『……ぁ、いた』

奥の方に座って携帯を見ている悠一を見つけたのでそちらに向かって歩いていく。よく見るとイヤホンをしていてこちらにまったく気づいていないらしい。えっなんかむかつく。それとこんなときでもかっこいいのなんかやっぱりイラッとくるな……

前に立って少し待ってみても反応がないのでイヤホンを片耳引っこ抜いてやると少し不機嫌そうに歪められた顔が上に向いた。

『ほい、お届けものですよ』

ずい、と台本を目の前に出す。

中「びっくりした、Aか。ありがと、早かったな」

『遅れるとやばいかなと思って急いできたんだよ、感謝しろ〜』

中「はいはい、ありがとう。十分感謝してるって」

『感謝してるように感じられないんだけどな〜、これは何か私の言うことひとつ聞いてもらわないとな〜』

中「ええ？あー……わかったよ、聞くから。本当助かった、ありがとう」

悠一は笑いながら立ち上がり、私の頭を撫でた。

『ふふ、どういたしまして。んじゃあ私帰るね、お仕事頑張って』

中「あ、そこまで送ってく」

『え、別にいいのに』

中「いいから送られとけ」

『はいはい、ありがとうございます』

さりげなく私の荷物持ってくれる辺り凄いイケメンだ……顔も普通にかっこいいしモテそうだよなぁ、渡すつもりはないけれども。できれば私にだけやっていてほしい。

スタジオから出て扉を閉めた。


中「ところでお前内心荒ぶってそうだけど大丈夫か」

『や、意外と……大丈夫……一周回って……大丈夫……』

中「へぇ、意外だな。……お、今日バイクなのか」

『ん？うん、車で来て渋滞とかでめっちゃ遅れました〜とかやだしね』

中「はー、なるほど……本当ありがとな」

『いえいえ、なんか新鮮で楽しかったよ』

中「そうか？なら良かった。気を付けて帰れよ」

『了解、んじゃあね』

中「じゃあな」

軽く手を振ってからバイクを走らせる。

ところで今の所にいた声優さん(といっても四人)でどのアニメかわかったりした？わかったなら語り合いたい。にゃんこビッグさん探すとこの山下研太郎切なすぎて泣いたよね……ゆいちゃんと幸せになってくれ……

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