おさななじみ兼こいびと。【中村悠一】

寝起き。 ページ24

中村side


「なんか凄い良い音聞こえたけどどうしたの？」

中「あ、安元さん」

笑いながら近づいて来たのは安元さんだった。膝にAの頭が乗っているので座ったまま軽く会釈をする。

安「なんでここに中村がいるの?というか杉田は帰ったんじゃ無かったのか」

中「幼馴染みが眠いって言うので仮眠とらせてました。そのまま運転してもらうのは怖いんで」

杉「俺は雨降りだしたんでついでに送って貰おうと」

安「えっ雨降りだしたの?まじか、傘持ってねえぞ」

杉「……安元さんも送って貰ったらいいんじゃないかな!」

中「こいつが良いって言ったらだけどな」

こいつは優しいから良いって言うと思う。
……寝起きの顔を自分の他の男に見せるのは気がのらないがしょうがないだろうか。

安「あ、もしかして最近話題の佐藤Aさん?」

中「なんで知ってるんだ……」

ラジオくらいでしか名乗ってないと思うんだけどな……

安「神谷さんが、中村くんの幼馴染みめっちゃ美人でいい人だったよ〜!名前はね、佐藤Aさんって言うんだけどさ〜!って言いふらしてた」

杉「あ、それ俺もなんか聞いた」



中「何してくれてんだあの人……」

でもまあ、恋人だってことは言ってないみたいで良かった。神谷さんはこういうことを言いふらすとは思えないが。


そうして少し喋っていると、膝の上から声が聞こえた。

『……ぅ、んん……』

中「おお、起きたか？」

『んー……おはよ……ありがと』

中「おう、おはよう。ところでそこに安元さんいるんだけどさ、大丈夫か?」

『んー……大丈夫……。んぁ?あれちょっとまって、今なんて言った?安元さん??』


安「あ、どうも安元洋貴です」

『ヒェッ本物……良い声だ……』

中「本音漏れてんぞ」

『あっやべ』









杉「俺はスルーなのか」

送らないとは言ってない。→←仮眠。

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