おさななじみ兼こいびと。【中村悠一】

午前のお仕事。 ページ12

『おはようございまーす』

扉を開けて挨拶しながら自分の席へむかうとまばらに挨拶が帰ってくる。この時間人少ないからな……もう少し遅く来ても良いんだけど、それだと悠一が間に合わないししょうがないか。

PCを立ち上げながら今日の仕事の確認をする。
……うわあ。今日もたっぷりだなあめんどくさ……ﾝ"ﾝ"ｯ頑張りますか……既に帰りたい……はぁ……中村悠一に癒されたい……


「おはよう、佐藤さん」

『……おはようございます、部長』

ぽん、と肩に手を乗せられる。

最悪だ。わざわざ車の中で癒されて穏やかな気分だったというのに、最悪の気分だ。

こいつ距離が近いんだよ。いちいち体触ってくるしセクハラで訴えてやろうか本当……と心の中で愚痴りながら笑顔で返す。ああ早く離れてくれ、私に触って良い男は悠一だけなんだよ離れてくれ……


何やら顔を赤くして見つめてくるので困ったような笑みを浮かべ『……えぇと、何か？』と聞いてみたところ「……いや、なんでもないよ」とのこと。用がないなら散れ！！！


どこかへ行ったのでため息をひとつついて仕事に取りかかる。隣の席の同僚が「……お疲れ様です」と飴をくれたので口に含む。お気遣いありがとう、嬉しいよ……



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PCに向かい数時間が経過し、お昼の時間になった。回りの人は食堂に行ったり、はたまた何処かへ買いに行ったり、お弁当を持参してきていたり各々自由にお昼ご飯をとっている。ちなみに私はお弁当を持参してきている。ついでに毎日悠一の分も作っているのだが、毎回完食してくれるので作りがいがある。嬉しいよね普通に……


お弁当を食べながら午前の仕事の確認をする。いや、行儀悪いのだけれどわりと効率的で……確認だけだしキーボード叩かないし……早く帰りたいし……おっと本音が。


お弁当を食べ終わり、確認作業も終わったので少し休憩をとる。まぁ今の時間普通に昼休憩なんだけど、そこは気にしないようにしよう。ぐっ、と伸ばしたり肩を回したりして体をほぐしていると、隣の席から声がかかる。

「A様、朝はお疲れさまでした……これ、どうぞ食べてください……献上品でございます！」とコンビニスイーツが差し出される。

『……！これ新しいやつだな？食べてみたかったんだよね、ありがとう！次も楽しみにしてまーす』

とふざけていると昼休憩が終わってしまった。


さー…午後も頑張るかなぁ……

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