×× ページ9
××
空いているコンパートは沢山あったものの「後の奴らが入ってきて相席、なんて勘弁」とリウが言ったため、後ろのコンパートへ。
また忘れてしまう前に、猫を外に出してから荷物を上にあげた
窮屈な所からようやく抜け出せた猫 マッチャ は嬉しそうに一鳴きした。マッチャ、なんて珍しい名前は、二人の日本好きからきているものだった
「猫の成長ってこんなに早いのね。一か月前なんかこんな小さかったのに」
「いや、手のひらサイズって...それ子猫じゃん。
確かにマッチャは周りの子と違って小さかったけどさ」
大きくなっても可愛いのは変わらないけど
双子の足元をすり寄るマッチャ。愛想のいい子だけど、これは恐らくおなかがすいているのだろう。小分けのご飯を手皿にして目の前に出せば、嬉しそうに食べ始めた
「あーあ、この一か月もほとんど僕がご飯をあげてたのに、すっかりAに懐いちゃってさ。薄情な奴め」
「嫌われてないからいいじゃない？」
ご飯を食べ終えたマッチャは、Aの膝で丸くなった
そんなマッチャの頬をこれでもかとつつく
最初こそ無視していたマッチャだけどあまりのしつこさに根負けしたのか、コンパートから出て行ってしまった。
「あ、逃げちゃった」
「お散歩するんだと思う。追いかけちゃだめだからね」
「はいはい........あ、この前の＿＿」
×
汽車が動き出してどれくらい経っただろうか
リウは今か今かとマッチャの帰りを待っている。ただの散歩だから気にしなくてもいいというAの声は、聞く気もない。
勢いよく飛び出したカエルチョコの足を掴んで、リウの口に入れてやった
リウは気にする素振りもなかった
「やっぱり僕探してくる」
「え、ちょっと...ほんとに行っちゃった」
ひとりになったコンパートは静かだ
お喋りをしなくなった途端に、眠気が襲ってくる。
駅まで眠っていたけど、元々睡眠時間の多いAにとって足りたものじゃない
昨日リウと遅くまで起きて話していたせいで寝不足だった。むしろリウが寝不足でないのがおかしい
寝てしまおうかと考えたところで、リウの小言を思い出した
つく前にローブに着替えておかないといけないんだっけ。
着替えて寝てしまえば、起きるのが遅くても何とかなるだろうとローブに身を包む
新しいはずのローブは、妙に着心地がよかった
××
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
くらげ(プロフ) - ゆばちゃむさん» コメントありがとうございます。続きを更新したつもりがコピーしていた非公開のお話が公開済みになってしまっていたようです。ご指摘ありがとうございます、助かりました;;修正後本来のお話を公開致します (2月9日 18時) (
レス) id: ecfffd224b (このIDを非表示/違反報告)
ゆばちゃむ(プロフ) - 初コメ失礼します！とても素晴らしい作品を読めてとっても嬉しいですありがとうございます！最新話が2個前の話と同じ内容ですがこれはバグなのでしょうか、？もしお時間あれば確認してくださるとありがたいです！ (2月9日 18時) (レス) @page18 id: 56d433994e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：くらげ | 作成日時：2023年9月13日 14時
