ドアを開けたらドストエフスキーが鼻水垂らして号泣していた【文スト】

９ 鼠の勝手な思い込みか？ ページ9

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僕の夢はいつか、Aさんとはるか遠い遠いチャペルで結婚式をあげることでした＿＿＿。






心石Aさんとは、古い付き合いなのです。
彼女がまだ、死の家の鼠に来る前から、僕達は仲良しでした。 恋人でした。

僕はいつっでも、Aさんのお傍にいましたが、どうやら彼女はシャイなようであまり一緒に話すなどということはできませんでしたが、僕達の心は通じ合っていました。

もちろん、僕自身もそれを感じていましたし、きっと彼女も感じていたに違いありません。

なのに、それは一瞬して彼女の裏切りで崩れ落ちた！


「な、なぜ……太宰くんと…」



なんと彼女は、僕という恋人がいながら、
太宰くんと『浮気』をしていたのです。しかも、彼の家にまであがってね！……

僕の心は、ガラスのハート。ヒビがパキパキと入ったように傷ついた。こんな裏切りは人生で初めてだ。僕が捧げて来た愛がたった数日でこんなにも簡単に…。

そのことを考えると、心臓がぎゅっうと痛く締め付けられ、目から涙が滝のように溢れて止まりません。これはなんでしょう。

彼女が僕に掛けた呪いでしょうか。


「ひどい、びどいです。Aさん」


いつものモニターでAさんを観察する
これは、恋人である僕としての、義務。

モニターの中のAさんは、どうやら寝ているようですが、苦しそうな顔をしてうめき声を上げているよう。

きっと、悪夢にうなされているんだ。いま彼女が苦しんでいると思うと、また悲しくて涙が出てしまいそう

僕は、Aさんに何度裏切られても、決してAさんを裏切りません。絶対に。

だって、こんなにも彼女を愛している。

嗚呼………罪深い…。僕の心はもう、貴方のものです。

心石A。

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