↓part2 ページ18
「Aちゃん、そろそろ帰らないと」
『え、もうそんな時間?』
壮五さんと別れなければいけない時間がきた
まだ、一緒にいたい
離れたくない
『あの、ね。今度期末試験があるんだけど、私数学がわかんなくて、壮五さん、教えてくれない?』
「うん、いいよ、僕で良ければ」
嘘、数学の成績は悪くない
私は壮五さんに嘘をついた
きっと童話のシンデレラを嘘をついていたに違いない
ガラスの靴は落としたんじゃなくて、わざと置いていった
そう、私も同じよ
壮五さんの気を引きたくて、たくさん嘘をついている
だって、もっと愛されたいから
その日は惜しみながらも、壮五さんと別れた
今の私は、何が欲しいだとか、何が知りたいだとか、欲しいものが溢れかえっている
まだ足りない、もっと欲しい
貴方の全てが欲しいけれど、なかなか手に入らない
それならいっそのこと、何か違うもので貴方の居場所を埋めてしまおうか
でもそれじゃ貴方が手に入らないから意味が無い
大きな箱より小さな箱に幸せはあるらしい
どうしよう、私は欲張りだから迷わず大きい方を選んでしまう
このままじゃ、欲張りすぎて貴方に嫌われるかもしれない
でも私なんかより、お父様とお母様のほうがよっぽど欲深いわ
なんで私だけ欲張っちゃいけないの?
そうよね、私も今まで通り欲張って嘘をついてもいいんだよね
シンデレラは嘘はつかない
それなのに、嘘をつき続けたら、どうなってしまうんだろう
どうしよう、いつか私はオオカミに食べられるかも
バチが当たって、悪いことが起きるに違いない
そうなる前に、助けに来てね
やっぱり私を救ってくれるのは、壮五さんがいい
《ロミオとシンデレラ》
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作者名:ひな x他1人 | 作成日時:2018年5月1日 0時