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玖ノ話 ページ10

霞柱様はポツリ、ポツリと話し始める。


無「…あれは…今日みたいな少し暑い日だった………」



天「はい…」




無「僕には………双子の兄がいて…




両親は死んでしまっていたから、


僕は兄さんと2人で杣人をして暮らしていたんだ…





戸を開けて眠っていたら…





鬼が入ってきた。」



今そのお兄さんがいないということは…。



無「…兄さんが襲われて腕を千切られた。


それで…あの憎い鬼は『あってもなくても変わらない命』だって言った…



それで…僕は

我を忘れて鬼を色んなもので返り討ちにして、日光で焼き殺した…」



天「……………」





無「戻ったら…兄さんは瀕死で…


『弟だけは助けて欲しい』『無一郎は無限の無だ』って…



言った。」



無「それから僕はあまね様とそのご息女に助けられた…僕だけ………。

僕は…僕は兄さんを助けることが出来なかったんだ」






無「…なんで………僕だけ生き残ったんだろう」






天「…………」



私は静かに涙を零した。


あまりにも残酷だった。



私が想像していたものの…




…何倍も。





無「………僕のために…泣いてくれるの…?」




天「………ごめんなさい。


私、知らずに軽々しく…」





無「…別にいいよ………


それより、ありがとう。




こんな話、聞いてくれて」




霞柱様はまた悲しそうに目を伏せる。





天「でも…なんで自分だけ生き残ったんだなんて…

もう言わないでください…



霞柱様は…色んな人から必要とされているんですよ…?


必要とされることほど幸せなことはないんです…」



幼い頃、誰にも必要とされていなかった私。




だから必要とされていることの幸せは…


痛いほど分かっていた。







無「…そうだね。

ごめん。」




霞柱様がそう言うと私は無理やり涙を拭い、


無理やり笑うと言った。





天「もうこんな話するのはやめましょう?

笑っているのが1番なんですよ?」





すると霞柱様は私が思ってもみなかった言葉を口にした。




無「………君も、言うべきこと、あるんじゃないの…?」

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水瀬あまね(プロフ) - るーととは僕のことだ!さん» コメントありがとうございます…!更新頑張りますね、! (2020年7月14日 21時) (レス) id: 11380dd944 (このIDを非表示/違反報告)
るーととは僕のことだ! - 面白いです!!私も色々な過去があるので自分のように感じながらみてます!これからも頑張ってください! (2020年7月11日 17時) (レス) id: 315c812a82 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬あまね(プロフ) - 抹茶さん» ご指摘ありがとうございます…!直ぐに直させていただきました。 (2020年6月6日 20時) (レス) id: 11380dd944 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - 39話、天崎が天野になってますよー (2020年6月6日 20時) (レス) id: dff0e218d6 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬あまね(プロフ) - ねぎとろ丸さん» 暖かいコメントを下さりありがとうございます!無一郎くんいいですよね笑これからも更新を頑張ります…! (2020年6月1日 17時) (レス) id: 11380dd944 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬あまね | 作成日時:2020年5月30日 13時

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