伏黒甚爾は恩人でした

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傑





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「なんだそのガキ。それより上の奴らがお前を疑ってるぞ」





「さっきの任務で見つけたんだ。虐待されていたみたいだから連れて帰ってきた」






硝子に2人を任せ、私は上層部がいる本部へと向かう




自分の身を守るため顔を隠し野次ばかり飛ばす老人共に笑顔で受け答えする





「貴様がやったんではなかろうな」






「情報によるとお前があの村へ行った時間に近いではないか」





「処刑対象であるAが行った犯行をお前は見逃したのか？」






事実を述べようとはした。だがAの言葉が頭から離れなかった





『あんたが事実を吐いた場合、その子らの人生はどうするの？せっかくクソみたいな村から出れたのに、唯一信頼出来る人間がすぐに殺されて、この子達はなにを信じて生きたらいい？』






自分に重ねているようにも捉えられる発言に私は申し訳なく思いながら彼女のせいにする





「私はAに会っていませんし、その事件を見てもいません



呪霊を祓い、子供を連れて帰りました。村の中を一通り見ましたがAの残穢も気配もなく私が去った後に現れた可能性が高い




今回の事件に関して、私は一切関係がない」







言い切った。後々、彼女が追いかけられ処刑実行になった場合は私が庇おうと誓った




彼女が最後に言い残したあの言葉はきっと、色んな想いを込めただろう







『あんたは絶対に死んじゃダメだよ』










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