伏黒甚爾は恩人でした

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甚爾







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『暇だなー』






寝転がりながら本を読むAの腹をちょんとつつく






『変態め』






最近よく思うのだがこいつが大人になってきたなと。もう17だもんな、色んな物事を知って自分で判断しなければならなくなってきた






普通の子みたいに親に守られてるわけでもないこいつは俺が完全に手を離せば誰かに頼ることもなく生きていかなければならない






「お前さぁ、大人になったらどうすんの？」







『術師殺し続ける気でいるけど』







「やめとけ。せっかく便利な術式もあって強さもあんだから呪霊を祓う道に行け」







俺みたいにはなってほしくなかった。使えると思ってこいつを鍛えてきたのに今更辞めろなんて矛盾してる





でもこれが本心だ。せめて人のためになる行いをした方がいいに決まってる






『甚爾さんに助けてもらって一生ついて行こうと思った。


この道が間違ってることなんて分かってる。でも私は後悔なんてしてないしこの道じゃないとできない事があるから私は自分から悪人になる』






その目は真っ直ぐで何も言い返すことができない。こいつがやってることは知ってる。それが世間にとって後ろ指を刺される行いだと分かっててやってるんだ






善人側、いわゆる呪術師になれば制限がかかりできなくなってしまう






『もうすぐ津美紀ちゃんの誕生日でしょ？ちゃんと帰って祝ってあげてね』






「おう」







まさかその日が俺の運命の日になるとは思いもしなかった






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