伏黒甚爾は恩人でした

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『なにを言ってるのかさっぱりわかんないね




呪術師だけの世界を作る？厨二病でもこじらせてんのか




いったい日本に非呪術師がどのくらいいると思ってる、その全員を殺すなんて不可能。もしそれが出来たとしても、呪術師の中でまた、弱肉強食が生まれる




結局この世が変わることなんてないし、お前の思想通りに進むわけない





嫉妬してんの？五条悟が最強になったから




自分と同じ歩幅で歩き、2人で最強と呼びあったはずの親友が1人で最強になった




だから妬いてんの？置いてきぼりにされて




それともあの日、任務に初めて失敗し罪のない少女が殺され喜ぶ人間を見て頭がおかしくなったの？





あの日、死んだのは天内理子ちゃんだけじゃない




目の前で人が殺されていく瞬間を見たのはあんただけじゃない





私も…殺されてるの…。恩人を、生きる楽しさを教えてくれた大切な人をｯ、目の前でｯ！





確かにあの人は罪のない少女を金目的で殺した。まだ夢も希望も沢山持った無垢の子供たちを殺した。だけど私にとっては家族のような存在だった。あんたらが子供の頃、楽しく暮らしてたときに私は地獄を味わってた





そこから手を差し伸べてくれて、光がある道を歩かせてくれたのは間違いなく甚爾さんだったｯ





あのとき甚爾さんが殺されてなにもせず、黙ったまま帰れるほど私は大人じゃないｯ！どれだけあんたらを殺したかったか、傷つけてやりたかったか、苦しめてやりたかったか




五条悟は無理だとしても、せめてあんただけは殺れた。自分の手で仇を打ちたかったに決まってるでしょｯ…！





でも甚爾さんが手を出すなって、やめろって





あんたらが世界を変えてくれるから、私や、その後ろにいる子供みたいになんの罪のない見える人間が差別されるこの世の中を良くしてくれるって言ったからｯ





なにもしなかった…。甚爾さんが言ったことを信じたｯ！





変えてくれるって、2人に任せていいって、子供を救ってくれるからって言ったから手を出さずに帰ったの





それなのに今なにしようとしてんのよ





なんで人を殺してんのよｯ！なんで自分から苦しい方に走っていくのよ！』





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