9.アン様、いらっしゃいませ。 ページ9
そのときだった
ガタンッと後ろから音がした。
鉄の箱が落ちた音だった
「ちょ、何よこれ…。雨芽！説明しなさいッ」
『…あ、あ…あぁ＿』
雨芽は口を開いたまま、後ろへと後ずさりをする
それもその筈だ。
目の前で雨芽の親友である一人の少年が肉片となり、果てたのだ
『うそ…いやぁ、…！』
「っ、もう、確りしなさいよ！」
次の瞬間、雨芽に声をかけていた少女、ルーシー・モード・モンゴメリと汚濁によって暴走した中原中也、それを止める唯一無二の存在である太宰治が消えたのだ
＿
「…アンタ早くこいつを戻しなさい」
アンに捕まり身動きをとれず、ジタバタと暴れまわる中也に太宰が触れる
「雨芽、相当怒っているわよ。…ええと？」
「中原中也だ、……だがもう」
中也は意識を手放す
太宰はそんな中也を見下ろすと怪しげに微笑む
「何故止めなかったの？」
「＿＿うーん…、何故だと思うんだい？」
はぐらかし、吐く気などサラサラ無さげな太宰にモンゴメリは溜め息をついた
「知らないわよ、そんなの 。雨芽を苦しめることはそんなに楽しいのかしら」
「さぁ、どうだろうねぇ？」
意味ありげな微笑を浮かべる太宰
それが何を意図するかなど誰にも分からない
＿＿
『う、うわぁ…ぁ』
「雨芽さん…」
泣き崩れる雨芽に敦は何もすることが出来なかった
雨芽は親友のものだったであろう血溜まりに指先をつける
真っ赤な血液がついた細い指を構わず舌に乗せる
ちゅ、と小さなリップ音をたてて指が口元から離れる
雨芽の口内には親友のものである血液が含まれていた
ごく、と呑み込む様な音がする
敦は恐る恐る雨芽の様子を伺うが、特に変わった様子もなく
いつも通りの無慈悲な笑顔を浮かべていた
気味が悪いくらい真っ白なその頬は血液がべったりとついており、澄んだ瞳は黒く蠢く何がそこにあった
『あら、御客様ご来店ありがとうございます』
敦に体を向けると普段通りの礼をした
『今日は何に致しますか？』
確実に雨芽の心は壊れ始めていた
10.あら、御客様、いらっしゃいませ。→←8.皆様、いらっしゃいませ。
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ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (
レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか？(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀｀*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時：2019年7月8日 0時
