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6.旧双黒(小)様、いらっしゃいませ。 ページ6

真っ暗な路地裏へと雨芽は走っていた

誰もいない薄暗い路地裏には乾いた血が辺りにべっとりとついたいた

鉄臭い匂いが雨芽の鼻へ届く

そんなことへは躊躇いもせず雨芽は近くにあった死体を易々と踏みつけた



『…いない?』



不思議そうに辺りを見渡している雨芽は何かを探していた



『何故…、私を狙って…!?』



驚いたように声を洩らした雨芽は

着物の裾を捲り上げると雨芽は勢いよく探偵社のもとへと逆戻りしていた

首筋に汗が伝う

髪の毛が額に付くのも気にせずただただ駆ける

大通りへと出て、どんっと誰かにぶつかる



『すみませ…ッ…はぁ、はぁッ』

「悪かったな、…?」



甘い顔立ちに低めの身長、真っ黒の帽子を被った男、中原中也は何か不思議そうに少女を見つめた



『な、何でしょうか?』

「雨芽、か?」

『………ええ』

「っ、生きててくれたんだなッ…ったく連絡の1本も寄越せ、ばーか」

『誰がマフィア幹部に連絡を寄越しますか、元気そうで何よりです』



仲良さげに話す二人は辺りから見れば兄弟の様にも見える



「で、何をそんなに急いだら裾に人の血がついてんだ?」



え、と声を洩らした雨芽が中也の顔と自分の裾を交互に見て息を吐く



『ちょっとした問題が御座いまして…御客様、ご協力願いますか?』

「構わねぇが、…とっととあのワインの名を教えろ」

『ワインではありません。カクテルです、教えるのは報酬と言うことで』

「チッ…おら行くぞ」



はい!と頼もしげに雨芽は頷く

中也はそれを横目で見るや否や、笑って宙を舞った

紳士的な手つきで雨芽の手を引き、夜の街を舞う

月光の降り注ぐ街並みの中、二人の影が楽しげに舞う

二人は負の旋律が辺りを包むのにも気がつかなかった

7.双黒様、いらっしゃいませ。→←5.お困りの御客様いらっしゃいませ。



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ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか?(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀`*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時:2019年7月8日 0時

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