28.思い出、いらっしゃいませ。 ページ31
「ねぇドスくん」
「何でしょう?」
雨芽が嘗て部下へ命令を下していた、首領室。
薄汚れた首領室には血痕が残されており、淀んだ空気が漂っていた
「何であの子を逃がしたの?」
「……雨芽の身体は強くありません…、少し心配になりました。」
フョードルはいつもの様な無機質な声質では無く、温かみのある柔らかな声で切なそうにそう云った
それをみたゴーゴリは目を見開き、一言呟く
「青梅__雨芽」
「……雨芽に神なる加護があらんことを。」
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「!雨芽さん!」
『…ご心配お掛けしました』
敦が雨芽に抱きつく。
雨芽は敦に身を任せると敦の背へ手を回した
「心配…します」
『すみま』
「謝らないで下さい…。
も、もう一寸だけこのままで」
『ええ、構いません』
暫く敦は雨芽を手放さなかった
雨芽は泣きじゃくる敦の頭を優しげな手付きで撫でると空を見上げ微笑んだ
『こんな世界もまだ何か救いはあるのかもしれないです…ね』
「…?僕は…僕は、人を救って生きる。だから救いがないと困りますよ?」
『__ふふ、そうですね。
さて、大切な休日がこのままでは潰れてしまいますし…遊びにでも行きませんか?』
「はい!」
雨芽と敦は並んで歩いていた
敦は嬉しそうに雨芽を横目でちらりと見たりなど、落ち着かない様だ
『……どこ行きます?』
「雨芽さんの思い出巡りとかどうです?」
『そうしましょうか…』
雨芽と敦は思い出の地を巡った
満天の青空は2人を祝福するかのように輝いている
『_ロクな思い出があるのは、ここが…最後です』
目の前には墓。
敦には見覚えがあった
太宰さんの……彼女と友人のお墓?
何故彼女が…
『私のお姉ちゃん…姉様のお墓です。』
「聞きました」
『誰に?』
「太宰さんです。」
『なら、矢張り太宰様は……マフィア最少年幹部』
「…!え、えぇ」
敦は太宰が元マフィアだということは把握していたが最少年幹部というのは初耳であった
「…………雨芽さんも」
雨芽が首を傾げ敦の言葉に耳を貸す
「_闇社会に身を置いていた?」
『…それは貴方に話すことではありません』
「知らないと守れない」
『………月花の暗殺者。
齢8の頃から暗殺業を始めてからは15まで暗殺会の頂点に…君臨していました
別名、月花の女王。』
敦の表情が固まる
雨芽はそんな敦に冷ややかな目を向けた
29.月花の暗殺者、いらっしゃいませ。→←27.眩い光よ、いらっしゃいませ
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ミレー - ラムさん» いえいえ大丈夫ですよ(*^□^*) 此れからも楽しみに待ってます(。-∀-) (2019年12月8日 10時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» ♯41に恐らくあります.......。更新の間が空いてしまい、読みづらくなっていてすみません、(リア友宛で頼まれた小説を書いてるもので) (2019年12月7日 8時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - 中也様最後に何を言ったのでしょうか?(。-∀-) 続き楽しみですv(・∀・*) (2019年12月7日 7時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ミレー - ラムさん» ありがとうございます(≧∇≦) 楽しみですσ(*´∀`*) (2019年11月22日 17時) (携帯から) (レス) id: a496965e6a (このIDを非表示/違反報告)
ラム(プロフ) - ミレーさん» まぁいとこですけどね笑笑 続きは更新しますよー (2019年11月21日 18時) (レス) id: 679c2774ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:少女F(旧ラム) x他1人 | 作成日時:2019年7月8日 0時