いつもの日常で世界征服を...。

No.11 ページ12

ーノア目線ー



「それで？作戦はあるの？」


ソファーに寝転がりながら話を聞く


「あぁ、やろうと思えばいくらでも
やりようがあるが、何せ今回は時間が無い


いつものアレでいいか？」



あー、アレかー結構疲れるんだよねー
最近やってないし……



「まぁ、ユズがあとを全部やってくれるなら
いいけど？」


まー、サラのためだし折れるしかないかー


「おぉ、お前にしては結構やる気だな」


ユズが面白そうに口角を釣り上げる


「まぁね……サラのためだもん」


「んじゃ、時間もないしさっさっと行きますか」


「そーだね！」


そうして、外套を羽織り敵国の戦へ……



虐殺へ向かう_______________。


______________________________

ー国の領地でー



「おー、着いたはいいがあと30分くらいしか
ねぇぞ……？」


敵国の城の上で懐中時計にそっと
視線を落としユズが
焦ったように、ノアへ声をかける



「30分もあれば十分……


5分で終わらせる……あとは任せたよ？」


「あぁ、分かってるよだが平民は殺すなよ？
サラの故郷の人間だ、なるだけ犠牲は出すな｣


「分かってる」

そしてふわり、と可憐な少女が空を舞う
大きな城の上から飛び降りて羽のように
軽やかに着地する


そうして____________ 虐殺が始まる



「なんの音だ？！」


兵士が音に驚きふりかえると、そこは
一面、紅に染まる世界



「？！なっ？！」


驚いて言葉が出なかった

逃げなくては、と兵士が思考する前に


その兵士も紅に染まる世界の一部となっていた

______________________________



そのまま目に映るもの全て斬り捨てる


敵の悲鳴も、命乞いも……

人を斬るのは嫌い、大っ嫌い

そして何より怖い


でも、それでも、私はそれ以上に今、斬り損ねた
敵がいつか自分の大切な人を傷つけるかもしれない
ことの方がもっと怖い


だから私は…………止まらない、止まれない


その一瞬で変わってしまうかもしれない未来が
怖いから


私は、もう何も失いたくないから



30秒_______________


骨が軋む音がする、肺が悲鳴をあげる


それでも止まらない


40秒_______________


能力の反動で目が霞む

息が苦しい



50秒_______________


もう、音の速さでも光の速さでも動けない……


それでも進み続ける、守りたいから

守らないといけないから……


「まだ、まだ……」


伸ばしたてが空を切る、もう少し…………
もう少しなのに……


また……守れないの？


(次回に続きます)

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