伍拾肆話 大掃除 ページ24
パタパタ←はたきで棚を掃除する音。
貴「……」
俺は今、部屋の天井を掃除してる。
別に掃除が嫌って訳ではないが、得意でもない方だ。
フキフキ…
サッサッサ…
どの道、俺の部屋は地下牢なのになんで俺まで部屋の掃除をしなければならないんだ。
貴「…ふぅ、こんなものか」
もしこれでダメだったら、またやり直せばいいかな?
ガチャ…
貴「?」
誰か来たのかな?
リヴァイ「終わったようだな」
貴「はい」
丁度いいところに兵長が来てくれたので、呼ぶ手間が省けた。
リヴァイ「………うん、いいだろう」
貴「そうですか。ありがとうございます」
リヴァイ「ん」
兵長は部屋を出る。俺もそれに続いて出る。
貴「では、俺は此処で」
リヴァイ「?待て、何処に行く気だ」
貴「?地下牢ですけど」
リヴァイ「!」
?そんなに驚くことか?
貴「兵長、俺をこの班に入れ、拠点を変えたのは監視と処理しやすくする為ですよね?」
リヴァイ「………っ」
なんで、あんたがそんな傷ついた顔をするんだよ。
あんたとの関係は、俺の監視と監視の対象にすぎないはずだ。なのに何故?
貴「まぁ、黙っている、ということは肯定ということでいいんですよね?……まぁ、どうでもいいけど((ボソッ」
それだけ言うと、地下牢へ向かう。
リヴァイ「…何故、否定しない」
貴「?」
振り向くと傷ついた顔を通り越して苦しそうな顔をする兵長がいた。
リヴァイ「何故、自分は人間で、敵ではないと。此処にいるのは自分の意思なのだから、敵になるはずがない。と、訴えなかった」
貴「……」
リヴァイ「答えろ!!!」
俺には解らなかった。何故、兵長がそう苦しく切ない表情をして訴えるのか。
貴「…そもそも」
リヴァイ「?」
貴「そもそも訴えて何になる?信じてはくれないのに…」
リヴァイ「っ!?」
あぁ、今、俺の顔はいつもより冷たいんだろうな…。
貴「…信じてもらえないのに言った所で何の意味もない。……そう、人間を信じたって結局は裏切られるのだからな」
リヴァイ「っ!おまっ」
貴「用はそれだけですか?」
リヴァイ「お、おい!話しはまだっ」
貴「すみません、俺はそろそろ失礼させていただきます」
リヴァイ「おい!!」
そう、此処に居る奴等を信じて何になる…。
貴「俺は、自分の利益に繋がらないのはやらない派だ」
だって、面倒だろ?
貴「…頼むから、これ以上来ないでっ」
あれ?なんでこの言葉が出てきたんだろう。
伍拾伍話 瞳の奥の闇→←伍拾参話 調査兵団特別作戦班。通称、リヴァイ班
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作者名:天空の姫君 | 作成日時:2014年12月30日 10時