第玖話 大切な物を失う苦しさと憎しみ ページ12
「キャァァァッ！」
「イヤァァァァ！お母さん、お母さんっ！」
逃げ惑う人々とその悲鳴にハッと我に帰る。
貴「母さん！」
ミカサ「あ、A！」
家の方角に壁の破片が飛んだ！
母さんが危ない！
ただひたすらに走り続ける。家が…母さんが無事であることを願って
貴「かっ…っ！」
けれど、そこにあるのは潰された家。
いつもなら夕食の準備の煙が見える、俺の大切な我が家が…無惨な姿がその場にあった。
貴「母さん、母さん！」
家に居るであろう母さんを探す。無事でいてっ
カルラ「…A」
貴「！母さんっ」
母さんは、瓦礫の下敷きになっていた。
貴「待ってて母さん！今どかすから！」
カルラ「何言ってんの！いいから逃げなさい！」
貴「嫌だっ…絶対嫌だ！」
愛されることを知らない俺(私)を愛してくれた母さんをほっとけないよっ！
それに…まだありがとうも言ってない！
ミカサ「A！」
貴「！ミカサっ、手伝って！母さんが！」
ミカサ「っ！おばさん！」
ミカサが加わり、瓦礫を寄せようとするが子供の力ではできなかった。
なんでっ…何でなんだよ！
母さんがすぐそこに居て、助けを求めてるのにっ！
カルラ「二人共何やってるの！いいから逃げなさいと言っているでしょっ！」
貴「嫌だっ…絶対嫌だ！諦めてたまるか！」
誰でもいい…母さんを…母さんを助けてっ！
ハンネス「カルラ！」
カルラ「！ハンネス、良かった。子供達をお願い！」
ハンネス「見くびられちゃ困るぜ、カルラ。これでも、兵士なんだぜ？」
カルラ「ハンネスっ！」
ハンネスさんが来た…これで、母さんも俺達も助かる。
でも、飲んでばっかりの人に助けれるのか？相手は巨人だぞ？
巨人「……((ニタァ」
ハンネス「……っ((ゾクッ」
バッ…
ガシッ…
ミカサ「えっ」
貴「！」
やっぱり…。そうだよね。
巨人相手に、やれるはずないよね。
憎いな…こんな弱い自分が…兵士でありながら市民を守れない奴等なんて…
番外編 happyHalloween♪(一日遅れの) 〜ミカサ編〜→←第捌話 支配される恐怖
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作者名：天空の姫君 | 作成日時：2014年10月15日 8時
