第三十四話 二人と赤子 ページ38
エレン達が逃げたことを確認した後、巨人共を倒しながら生存者がいないか確認していた。
貴(早くしないと調査兵団が帰ってきてしまう。急がなければ)
辺りを見渡すと死体がゴロゴロ転がっている。
ある者は下半身がなく、またある者は頭がなく……と
貴(いくら慣れているとはいえ、あまり感心しないなぁ)
?「オギァ……オギァ……」
貴「?」
近くから赤子の声。そして微かだが人のうめき声が
貴(あっちに誰かいるのか?)
行ってみるとそこには一人の女と赤子、そしてエレンと同い年の子が二人いた。
貴「何をしている」
?「!」
びっくりしたかのように振り返る二人。そして赤子の泣き声がピタリと止まった。
貴「お前達は避難しないのか?」
?「だって…母さんが…っ」
??「……っ…グスッ……ヒックっ…」
視線を向けると上半身がない女が。二人の母親だろう。
貴(あぁ、二人と赤子を守ったのか…)
二人の母親の元へ行き、手を合わせる。
貴(俺が責任を持ってちゃんと安全な場所へお連れします。なので安らかにお眠りください)
そう、心の中で言い赤子を抱き上げ立ち上がる。
貴「ついて来い。安全な場所まで案内する」
?「無理だよ」
??「嫌だ。母さんの元にいきたい」
二人の目には既に光がなかった。それを見た俺は何かが切れたように感じた。
貴「ふざけるなっ!!」
?、??「「!!」」
貴「お前等の母さんはな!お前等に生きて欲しくて守ったんだ!!後をおわせる為じゃねぇっ!!」
そう簡単に生きることを諦めて欲しくなかった。俺が、私がいたあの世界では生きたくても生きれない人達や子供達が沢山いたんだ。
それなのにっ
?「でもっ」
貴「でもじゃねぇ!!それに親代わりが欲しいなら俺がなってやる!!」
?、??「「!!」」
あれ?何勝手なこと言ってんだろ?
本人達の確認もなしに…
貴「だから、生きる希望をなくすな!!いいなっ!」
そういうと、無理矢理二人を立たせてウォール・ローゼへ
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作者名:天空の姫君 | 作成日時:2014年9月11日 18時