【SERVAMP】続 腐女子だけど特に親しくもない同居人の前で思いっきり同人誌ぶち撒けた

オタクにリアルは生きづらい９ ページ22

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クロに好きだと言いました


少女漫画のように、回りくどい言い方しなくても言えた。Ｂ Ｌ 漫画のような切なさも甘酸っぱさもなかった。案外、簡単に言えるような言葉だった

本当は愛しいという想いからくるそれは、簡単に口に出せるようなものじゃないんだろう。好き、その後相手からくる言葉が怖くてでも頑張って口に出す、結ばれなくてもいいから伝われ。そんな切ない言葉なんだろう

私はそんな覚悟はない。もしクロが私じゃなくて兄さんを選んだ暁には、ショックよりも興奮のが勝つだろう。性根から腐ってるんだから、今さら真っ当な恋愛なんてできない






「でもね、クロのこと好きなんだわ」






少しは告白台詞選べよ、なんてため息をつきながら文句を言っていたクロの声がそこで止まる。緊張感がなかったから意識されてなかったみたいだけど、改めてこれが告白であることを理解してくれたらしい







今日、天使様は言った。コミュ障でただ天使様のお美しい姿を眺めることしかできなかった私に何度目かの「気持ち悪ぃから何か喋れ」を

やはり素晴らしい見下しと声の冷たさに「ありがとうございます」としか言えない私。舌打ちが返ってくる。我々の業界では御褒美です、ありがとうございました。そんな私に天使様は別の言葉を投げ掛けた



「お前、何が欲しくてここに来たんだ」




Ｂ Ｌ 本なんて言えねえ……




「えーと、参考書が欲しくて？」




あまり悩んでると誤魔化しようがなくなるので、咄嗟に思い付いたことを口に出す。だがそれを「何も持ってねえじゃねえか」と一蹴した。いや、今から買いに行くんだ。そう言い訳しようとしたが、天使様が言いたいことはそう言うことではないようなので口黙ってを結ぶ


私自身がわかっていないところまで見透かしたようにまっすぐな瞳で、「金出せば手に入る物のに、てめえはそんな顔して悩んでんのか」と言い放った。自分でも最初は理解できなかったけど、その言葉を聞いて、考えるよりも先に体が動いてた

真昼兄さんにラインでクロのいる場所聞いて、どうせ来たならと思って漫画と雑誌を表紙買いして、何となくクロ探しに走ってでもインドア派だったの思い出して結局歩いた



そういや私、本屋ついてもクロのことしか考えてなかったな


散々悩んで、考え付いたときにはもう目の前にクロがいた

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