【SERVAMP】続 腐女子だけど特に親しくもない同居人の前で思いっきり同人誌ぶち撒けた

１６年間寄り添ってきた２ ページ17

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まあ、そうやって隠し事をされてきているから全部、とは言えないけれど、Aのことなら大抵わかる



「……わかるん、だよなあ」

「え？何、どうした真昼」





ため息混じりに独り言をぼやくと、桜哉は不思議そうにこちらを覗き込んで質問をしてくる


わかるんだ、何となく察すことができる

何かを我慢してるとか、怒ってるとか、これは嬉しいんだとか、何かを隠してる、とか



何といっても１６年間寄り添ってきた双子なのだから





「桜哉はさ、実はAは怒ったらすげえ怖いって言ったら信じるか？」

「え……そうなの？」

「うん、まあ、本当」

「マジか、見えねえな」





Aは人とまともに話せないコミュ症だし、まず本当に距離の近い奴じゃないと怒ったりなんかしない。桜哉が意外そうに目を見開くのは当然なのだ


あいつは結構、俺と似ていてシンプルに物事を判断する。ここは絶対、それ以外のラインは切り捨て。その判断が物凄く単純だ


自分が好きなものかどうか、否か

自分の欲しいものか、否か

自分に必要なものか、否か


そうして自分の頭の中で区別をつける、１００か０かの人間なのだ。自分が興味を示したもの以外は全てどうでもいい

ということに、気づいてんのかなあ、あいつ。どうでもいいなら、お前は悩んでないんだよ、クロと話せていないことに。お前のどうでもいいの反対は、絶対欲しいものなんだよ


恐らく自分が思ったより強欲な人間であることに気づいてないだろう、あの片割れの姿を思い浮かべながら、はあ、とため息をつく





「あいつ、昔から我儘は言わないで俺の後ろ着いてくるような奴なんだけどさ。絶対に譲れないものになると人が変わったみたいになるんだよな。今では軽くヤクザだよ」

「マジ？それはそれで面白いけどなー。あー、でも言われてみれば心当たりあるな。真昼のことになるとめっちゃ饒舌」

「何で俺のことになるんだよ……。まあ、だから、なんというか御愁傷様というか、強く生きろと言うか……」

「………あー。例の妹の好きな奴のことね。シスコンお兄様が相手を気遣うとは珍しい」

「気遣いたくもなるんだよなあ……」





どうかAが隠していたあの薄いページの漫画みたいなことになりませんように





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