1038話 ページ10
ドクター「退院おめでとうございます。今までよく頑張りましたね」
「ありがとうございます!」
トロントでもリハビリ頑張ってね、とドクターやナースに見送られて、約2ヶ月ぶりにトロントの我が家に帰る日が来た。
お父さんとお姉ちゃんが付き添ってくれて、移動はなんと、私がトロントに来てすぐにホームステイをしたマーティン家のお父さんが車を出してくれた。
私のケガをニュースで知って、とても心配して気にかけてくれていたみたい。
「ルーク、ありがとう。とても助かるよ」
ルーク「Aは僕たちマーティン家の家族だからね。これくらい当然だよ」
「エラとルカは元気?」
エラとルカはルークの子供たちで、私の1つ上の双子の男女のきょうだい。
年齢が近かったから、いろんな話で盛り上がって楽しかったな。
ルーク「エラもルカも大学で頑張ってるよ。みんなAをずっと応援していてね。自分も頑張らなくちゃって、二人にとってAがいい刺激になってるみたいだ」
「そっか。なんか嬉しいな」
ルーク「だからAも。人間、生きてりゃ辛い時は必ずあるけど、そのあとに絶対にいいことがあるから。だから諦めずに頑張るんだよ?」
「うん。ありがと」
ルークは私の周りのゴタゴタを結構知っているみたいで、本当に我が子のように気遣ってくれた。
姉「A、いいご家族にホームステイ出来たんだね」
お姉ちゃんは嬉しそうに、そして安心したようにそう言って笑った。
アパートに送り届けてもらって、ルークとはここでお別れ。
また何か困ったことがあったらいつでもいってね、と頼もしい言葉をもらって、本当にいい家族に出会えたな……と嬉しくなった。
姉「さて。今日からは再びここで生活が始まるわけだけど、いろいろ確認しとかないとね」
リハビリをする病院までの行き方とか、部屋の中で不便なところがないか……とか。
いろいろやることを考えていると、お姉ちゃんが「あのさ……」とちょっと声を潜めて話しだした。
姉「結弦くんとは、連絡取ったの?彼もケガしたってニュースになってたからさ」
「あー……ううん。まだ」
ケガを知ったあと、ゆづくんとはまだ連絡を取ってない。
というか、連絡しづらくてしてない、が正解かな。
やっぱり、オリンピックを控えたシーズンに大きなケガをしたとなると気を遣ってしまう。
それがたとえ、毎日切磋琢磨しあった仲間であり、想いあった相手であっても。
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優里奈(プロフ) - エミルさん» エミルさん、ありがとうございます(*^^*)さっぱりしすぎたかなーと思ったんですが、あんまり深堀りしていくとお話の流れがめちゃくちゃになっちゃいそうな気がしたのでスパッと完結させました(^^)続編の期待、嬉しいです♪近いうちに、書き始めようかと思ってます(^q^) (10月2日 22時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
エミル(プロフ) - 優里奈さん、完結おめでとうございます!え、ここで!?と思った一人です(笑)最後はちょっと切ないですね。でも、続編あるかも……ということで期待しています! 優里奈さんの描く羽生さんとヒロインちゃんは可愛かったので、また会えると嬉しいな。 (10月2日 21時) (レス) @page28 id: 68edaa3183 (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - りいなさん、コメントありがとうございます!驚きましたよね〜( °_° )でも羽生くんの人生が幸せで溢れてくれるならそれでいいです(*^^*)お話は亀更新だけど書きたいことはずっと前から決まってるので、それを書くまでは続けます♪楽しみにしてくれて嬉しいです(*´`) (8月5日 23時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
りいな - いつも楽しく読ませて頂いています!羽生くんの結婚を聞いて私も作者さんみたいに驚いてしまいましたけど、やっぱり本人の幸せが1番ですよね。これからの活躍にも期待大です。この作品も継続されるという事で嬉しい限りです!これからも更新楽しみに待っています! (8月5日 22時) (レス) @page18 id: 91595a05fb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:優里奈 | 作成日時:2023年6月12日 12時