927話【結弦side】《世界選手権2017 女子FS》 ページ46
試合の後は悔しいのと情けないのとで、ホテルに戻ってきてからはなかなかゆっくり休む気になれなかった。
このままじゃ終われない。ていうか終わりたくない。
結弦「フリーは絶対完璧に仕上げてやる」
そう心に誓って、さっそくフリーに向けた準備に取り掛かる。
中一日あるけれど、そこで気を緩めたらそれこそおしまいだ。
リンクの上での練習だけじゃない、気持ちを整えるのもだいじなことだって今までの経験でよくわかってる。
こういうときこそ、冷静にならないと。
ーーーーーーーーー
女子フリーの試合は最終グループの1番滑走が終わったところ。
もうすぐAの本番だと思うと、変な緊張感に襲われる。
刑事「結弦、緊張してるの?表情硬いよ?」
結弦「緊張しないほうがおかしいっしょ」
刑事「まあなー。優勝と2連覇かかってるしなぁ。スケートがうまくて強い彼女がいると大変だな」
結弦「本当に思ってる?」
のんびりした刑事の口調にどこか他人事っぽさを感じて、ちょっと恨めしく思ったり。
だけど続けて刑事が言った言葉に、どう返したらいいか迷ってしまった。
刑事「でも……大変なのはAちゃんかもな」
結弦「え?」
刑事「こんなこと言ったら結弦に悪いけど、羽生結弦の彼女だよ?何かと結弦に絡めた質問されたり、有る事無い事好きなように二人のこと週刊誌に書かれたり、周りの目だってそう。彼女のバックには羽生結弦がいる、そう思ってる人もいる」
結弦「そんなこと……」
刑事「まったく無いって言える?」
結弦「……」
刑事「俺もそんなに詳しく知ってるわけじゃないけど、同じフィギュアスケート界にいると自然とそういうのも聞こえてくるよ。特に結弦は、この世界では実力、人気、信頼は他より飛び抜けてるし、プライベートを語らないからAちゃんを介してネタを引っ張り出そうとするやつもいる」
あまり楽観視しないほうが二人のためだと思うよ。と刑事が俺の顔をじっと見ながら言った。
結弦「楽観視なんて、してねーし。でもまあ……忠告としてありがたく受け取っておく」
とりあえず今はAの応援だ。
Aの周囲が騒がしいとか周りの目が……とかも気になるけど、それは世界選手権がすべて終わってから二人で話そう。
180人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやめ(プロフ) - はい!毎回楽しみに待っています。(^O^) (2022年8月27日 11時) (レス) id: 418efe221e (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - あやめさん» いえいえ(^ ^)初めてだと分からない時ありますよね(^-^)お名前はちゃんと表示されてて分かりますよ〜(^^)お話はまだまだ続くのでこれからもよろしくお願いします😊 (2022年8月27日 10時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - そもそも占いツクールでこうやってコメントのお話するのが優里奈さんで初めてだったもので、、、うまく伝えられなくてすみません (2022年8月27日 9時) (レス) id: 418efe221e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - ああ、勘違いさせてしまってすみません。左上に名前が表示されているのでわかるものなの?っていう確認をしたかっただけです。 (2022年8月27日 9時) (レス) id: 418efe221e (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - あやめさん» あっ、そうなんですね( ˊᵕˋ ;)名乗らなくても分かるかな?という事だったので前にお話した事あったのかも、と思ってました💦いつも読んでくださってありがとうございます!こういうコメントを頂けると頑張れます💪 (2022年8月27日 7時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2022年8月12日 10時