911話【結弦side】 ページ30
世界選手権が目前に迫ったある日。
朝起きて、ルーティンを一通りこなした後でカナからメールが届いた。
なんだろ、と思ってメールを開いて読み始めた内容に、ちょっとした不安を覚えた。
《今ちょっとスカイプできる?Aちゃんのことで話したいことがあるんだけど》
Aのこと?
なんで本人じゃなくてわざわざ俺なんだろ。
ついこの間、義理のお姉さんについて話を聞いたばかりだからあまり良くない想像をしてしまう。
《このあと練習だからそんなに時間とれないけどいいよ》
そう返すと、程なくしてカナからスカイプの着信。
結弦「はいはーい」
カナ《急にごめんね〜。練習だとは思ったんだけど、こういうのは早いほうがいいかと思って》
結弦「いや、いいよ。Aのことって何?」
カナ《時間無いなら結論から言うね。最近、SNSでAちゃんのことめっちゃ悪く言ってるアカウントがあるんだよね》
結弦「そんなの、前からじゃねえの?」
俺もAも、そういう類のものはもう何年も前から経験してるけど。
わざわざこうして伝えてくるってことは、なにか理由があるのか。
カナ《そうかもしれないけどさあ、そのSNSアカウントってのが、Aちゃんの親戚を名乗ってるんだよね》
結弦「親戚?……あ、」
すぐに心当たりのある人物が思い浮かんだ。
タイムリー過ぎてちょっと怖いわ。
カナ《なに?ゆづは何か知ってるの?》
結弦「いや……俺も良くは知らない」
ここはあまり俺がベラベラと喋ることじゃないなと思って、カナには悪いけどちょっと濁しておいた。
カナ《Aちゃん、最近何か変わったこととか無かった?本人に聞けば早いんだけど、もしこのことを知らないんだったら、せめてワールドが終わるまでは知らないほうがいいのかなって思って》
結弦「無い、と言えば嘘になるけど……まだ言えない。ましてや本人のいないところで」
カナ《いずれ本人の耳にも入ると思うけど……その時はゆづが守ってあげてね?Aちゃん、そっちで一番頼れるのはゆづなんだから》
結弦「うん。はじめからそのつもりだし」
カナ《……なんだよもお〜。ラブラブじゃん!心配して損した!》
結弦「あはは。まあ、それなりに色々あるけどね。今んとこうまくやってる」
カナ《それなら安心だよ。あ、それとね……》
同期として戦ってきたゆづには伝えておこうと思って。とカナが切り出した話に、俺はSNSの件よりも衝撃を受けた。
180人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あやめ(プロフ) - はい!毎回楽しみに待っています。(^O^) (2022年8月27日 11時) (レス) id: 418efe221e (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - あやめさん» いえいえ(^ ^)初めてだと分からない時ありますよね(^-^)お名前はちゃんと表示されてて分かりますよ〜(^^)お話はまだまだ続くのでこれからもよろしくお願いします😊 (2022年8月27日 10時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - そもそも占いツクールでこうやってコメントのお話するのが優里奈さんで初めてだったもので、、、うまく伝えられなくてすみません (2022年8月27日 9時) (レス) id: 418efe221e (このIDを非表示/違反報告)
あやめ(プロフ) - ああ、勘違いさせてしまってすみません。左上に名前が表示されているのでわかるものなの?っていう確認をしたかっただけです。 (2022年8月27日 9時) (レス) id: 418efe221e (このIDを非表示/違反報告)
優里奈(プロフ) - あやめさん» あっ、そうなんですね( ˊᵕˋ ;)名乗らなくても分かるかな?という事だったので前にお話した事あったのかも、と思ってました💦いつも読んでくださってありがとうございます!こういうコメントを頂けると頑張れます💪 (2022年8月27日 7時) (レス) id: 59b863f10c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:優里奈 | 作成日時:2022年8月12日 10時